ちょっと辛かった~!ワレフスカさんとのツアー始まる

後日記:珍しく携帯からの一報を上に入れたが、やっと色々な誤解も解けホントに安心したのである。ここには生々しく色々トラブった事実を羅列して、名古屋の主催者からも「ショックを受けた」と怒られてしまったのだが、事実は事実だし、私にも気持ちがあるので辛かった。ご存知のように私はブログにネガティヴなことはめったに書かないのに、書かざるを得ないぐらい心重かった。きっとわかってはいただけないかもしれないけれど。そうはいってもワレフスカさんには、心安くいていただきたいというのが私の信条。何とかしてあげたいという気持ちは今も同じ。別に誰が悪いわけではなく偶然が重なってのこと、とりあえずは概要だけ。

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a0041150_011754.jpg個人的に心配していた通り、大変なツアーになってしまった。何がいけなかったかというとすべてが情報不足だ。もっといろんなことがわかっていれば、ほとんど回避できたことばかりである。予想通り高速バスでの移動はかなりお疲れになったらしく、相当ご機嫌を損ねてしまった。お怒りはよくわかる。私だって大変だった。さすがに着いてすぐの演奏はバスの振動が手に残っていて良くない(おまけに内緒だけど酔い止めの薬も飲んでいたし)。スーパートリオの移動も、あの新幹線での振動を気にして前日入りをするぐらいだから。決してワガママではないけれど、やはり怒っているお姿を見るのは、本当に辛かった。何しろ私にはどうしようもできないことだから。

リハーサルが1日でやり残した曲が合ったのも、今回のツアーの場合には本当に良くなかった。彼女はお互いに対話しながら音楽を作っていくというよりは、完全に彼女の音楽を構築させなければならないタイプだ。こちらが自分のカラーを切り出すと、流れを止められてしまうようなところもあったので、とにかく聴いて対応するのみということも現場でわかった。面識もないのでこの辺の認識が甘く、本番になれば場所もホールではないし、お互いの音も聴こえない、ピアノは相当なダメージを受けた楽器(もちろん地元の調律師の皆さんは最善を尽くし、主催者の方たちも温かく最高だったが)、できることとできないことがあるから、楽しいコンサートで行こうと思ったのが間違い(笑)。でもこうした場所はこういう場所ならではの良さがあるので、身近なお客さまと共に楽しんで行こうという、ジャズのサロンのようにするべきである。でも彼女は純粋な巨匠だったので、ここでも自分の普段のスタイルを変えずに演奏する。お国ではコンサートの事前に2週間ぐらいピアニストとパッセージに至るまでリハーサルをするという。そして個性的な演奏でもある。彼女に言わせると、あのダニエル・シャフランでさえ音楽的でない演奏家なんだそうだから、覚悟がいる。

私が一番困ったのは「もっと小さく小さく」と言われたことで、普段は歌の伴奏でピアニッシモが最も得意だというのに(笑)、どうあっても音が「キャン」と出てしまう古いピアノで、そこを浮かせて弾けばミスタッチになってしまう。小さく弾くにはホントに限界があった。その死ぬほどの苦労は現地の譜めくりの人が証人で、「先生は十分すばらしいです」と何度も握手をしてくれたが、心は晴れないよね。後日、しらかわホールではいくらでも小さく弾ける。スケジュールの間は他のコンサートの練習がぎっしり詰まっていたので、特別に練習したわけでもない。実は同じようにやっていたのに「別人のよう」とまで言われたのだから、お察しいただきたい。あとライヴだから事故はつき物、例えば「繰り返しをする」といっていたのを忘れて先に行ってしまったりとか、出遅れやフライングなどが彼女にあった場合、絶対にこちらが対応するということだ。もちろんこうした事故は誰でも頻繁にやらかすことだが、室内楽も得意な奏者やウィーンフィルの人たちなんかだと、うまく自分で戻ってきたりもしてくれるので、判断も最初はギクシャク。いつもは「ソロは良かったけど、ピアノがね~」とこちらが批判をかぶるぐらいに、ホローは得意なはずなのに残念だ。何とかまとめてコンサートとしては悪くはなかったと思うけれど、重い気持ちでいっぱいになる。

a0041150_10501562.jpga0041150_10503479.jpgこの仕事を降りようか?と何度も思った瞬間があった。それはやはりこの人は絶対に自分のピアニストを連れてくるタイプの人だから、この期間中は常に寄り添っていつも一緒に練習をしてあげることができる人のほうが、きっと彼女は安心するだろうと思ったのだ。あいにくこちらはこのツアーの合間に東京往復して、他のコンサートやリハーサルに追われている。「修羅場をくぐっているから譜読みも早く、何があっても大丈夫、楽しいコンサートにしてくれる」という妙なウワサを信じて依頼されたんだろうけど(笑)、確かに今回も初見で弾かされた曲もある(危険~!)。彼女のコンサートは修羅場とは違う、きちんとしたホールで行うべきもので、もっと時間をかける種類のものだ。でも私自身も今は健康体ではないので、これ以上の対応はむずかしい。

でも私にはいっぱい支えがあった。伺った幼稚園では晴れやかにソロも弾かせていただいたのだけれど、そのときの園児の顔ったら!最高!そして各場所で私のCDも良く売れた。私はこうしてお客様を信じて、それでやってこれたようなものだから、この瞬間が本当に嬉しくありがたい。色々あるけれど、ここは踏ん張りどころと思ってがんばりましょう。そしてサポートしてくださった方々の温かさには心から感謝。ホテルには花束が用意されていて、そのホテルも親切で時間外なのに夜食も用意してくださった。ありがとう。

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そんなことがあって私、外見もいつもとは違ってブルーに見えたらしい(笑)。慰めてくれるのは人形町の皆さんたちだ。ありがたいね。合間に行ったお気に入りのレストラン「イル・バンボリーノ」では、ゴルゴンゾーラのニョッキ、これにパルメザンをかけていただいて最高!旨い!サルシッチャを使ってのピザもいつもながら美味しい、ややガーリックが利いている!そして「鴨の胸肉のロースト」。鴨好きなのだけれども、かつてないぐらいに旨い!肉はジューシーで甘みがあり、ソースの甘みと旨くブレンドされて絶品!ぜひこれはお試しあれ!
by masa-hilton | 2010-05-18 01:28 | 日々の出来事
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