新装とは言っても3年目だけれど、東京駅の大丸デパートも、1階地下の食品売り場以外はお客さんもパラパラだ。じっくり見てみたが、他のデパートに比べるとオフィス街を意識してか、化粧品も婦人服も力が入っている感じもするのだが、オープン当初の賑わいは何処へ?である。レストラン街もそう。私が行く夜の時間ともなれば「まい泉」などは閑古鳥、鰻の「伊勢定」や天麩羅の「つな八」などは、ウィンドーのサンプルが見るからに不味そうだし(失礼)、デパートの上とはこんなものである。でもさすがに「サバティーニ・ディ・フィレンツェ」は満席。
前回なかなか美味しかったので再訪した。
周りを見渡せばほとんどがコースを食べていて、これが信じられない。「
インカント」などなら、まだコースでもアイデアがあるという感じだが、それでも絶対にアラカルトで戴くべき店だ。ましてやデパートの上、ワンパターンになるのが当たり前だから、最初からここに来るお客さんが、多くを期待していない人たちということなのだろうか?
今回は改装前に美味しかったメニューを考慮に入れての選択。迷ったのは前回も美味しかった「ゴルゴンゾーラのペンネ」をどうするか?でも他のものも食べてみたいので、まず「トスカーナの生ハム、サラミの盛り合わせ」。ここの生ハムは改装前とても美味しかったのだ。やはり大正解。お気に入りの生ハムはワインにもよく合うし塩が強すぎずに好みだ。これは定番だね。
そして「昔ながらのトリッパのフィオレンティーナ風」。もともと「サバティーニ・ディ・フィレンツェ」と言えば「トリッパ料理」というほどに有名なメニュー。ところが以前の大丸店では置いていなかった。で、
本店に食べに行ったのだが、こちらが外れでガッカリ・・・・こんな経緯がある。「トリッパ」はやはり濃厚な味わいでないとね。でも濃すぎるとえげつなくなって食べにくい。なかなか難しいのである。今回のものは、やはり本店と同じく少し薄目な味わいがした。ではあるけれど、本店よりずっと美味しいのではないだろうか。まず「トリッパ」自体がとても上質!臭みなど微塵もない。下にマッシュポテトが敷いてあり、ボリュームもあるし、ここに味が浸みて風味を増していくという仕掛け。味わい自体としては人形町の
「イル・バンボリーノ」の「ギャラとトリッパのリガトーニ、トマト風味」のほうが好きだけれど、こちらのも充分満足した。とても美味しい。
「たらば蟹と季節特選葱のフェデリーニ、ソフトシェルクラブのフリット添え」も大当たり。旨いね~!蟹の風味も活きているし、やたらにハーブ臭くないのが良い。またフリットが珍味のような味わいを加えていて面白い。とても気に入ってしまった。
今回は全部当たりだったが、最後の「田舎風カネロニ」も大満足!チーズとクリームソースの万人向きな味わいながら、カネロニ自体はとてもヨーロッパ的な風味。パスタの中には田舎風のテリーヌのような、やや癖のある肉が入っていて、こういうのは超お気に入りだ。以前カネロニは「海の幸のカネロニ」というメニューでとても好きだったが、今回のも良いね!また是非伺いたい。