本物の存在感!「エリオ・ロカンダ・イタリアーノ」

中国と言えばニセモノ文化、パクリ商品・・・・とワイドショーでも話題だが、実は日本も負けてはいない。目くそ鼻くそを笑うが如し。日本の場合はそれをとりこんで、独自の文化にまでしてしまう。俗に「アンパン文化」などと言われているが、それは優秀だからというのか、もっとタチが悪いのか(笑)。そこにつけこめば、例えばイタリアンのシェフが実はイタリアでの修業経験もなく、店にはイタリア人はほとんど寄り付かなくても、マスコミが盛り上げれば三ツ星有名シェフで人気者に(笑)。そのこと自体には文句はない。それはビジネスとしての勝利だし、努力も必要だからだ。でもそのために味のわからない人が増殖して、本物のほうを攻撃したりするようになるのは困る。音楽の世界にもあることだ。ただ日本にはちゃんと本物にも出会うチャンスが普通にある。これが救い。

紛れもなく本物のイタリアン、半蔵門の「エリオ・ロカンダ・イタリアーノ」。日本で最高のイタリアンのお店の1つ。タイプとしてはイタリア人が通う店で広尾の「ラ・ビスボッチャ(恵比寿の「イル・ボッカローネ」に同じく)」などと同じ。クラウディオ・アッバードも来る「ラ・ビスボッチャ」のほうは、オープンキッチンの雰囲気もあってデートで使う日本人が多いが、ザッケローニ監督や来日中のサッカー選手、大使館のメンバーはじめイタリア人の数が半端ない「エリオ」のほうはビジネスマンの姿が多い。賑やかで南っぽい感じだ

最初の先付けのブルスケッタからして違う。こんなお味が日本で戴けるなんて!日本流に言えば酢漬けなんだけど(笑)これは現地そのもの。こういうものが出てくれば、だれでも自然にワインを戴きたくなる。前菜で出されるナスのミートボールはシェフのエリオさんが、子供のころにおばあちゃんが作ってもらったというもの。これも素朴だが濃く旨い。野菜や魚もふんだんに出てくるが、店のマネージャーはガイガーカウンター持参である(笑)。「申し訳ないが疑わしきは使わず、お客様の健康が第一、全て西日本や外国からの輸入物、安心してお召し上がりください」と胸を張る。異論はあるかもしれないが、本来はこうでなければいけないと思う。

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ところで本物ならばすべてが良いのか?と言えばそれはまた違う。ウィーン・フィルならばすべてが良いかと言えばそうでもない。しかし良し悪しではなく、例えばちょっとしたフレージングや味わいに感じる「本物の重み」は如何ともし難い。私たち日本の演奏家も優れていれば、そこに同化させることは可能である。それゆえの精進だ。「ゴルゴンゾーラのペンネ」「パルメザンチーズのリゾット(トリュフ山盛り!)」だって、もっと上手に仕上げられる日本人も数多いだろう。しかしこの独特なアバウトさ、崩した味わいは、素朴でとても自然なものである。現地人だけに許される良い意味での「いい加減さ」には説得力があり、まさに本物の存在感だ。メインの「鯛のサフランソース」はあっけないほどだったが、これもイタリアンの妙で、そもそもイタリアンのメインはフレンチとは違うのである。あと、ちょっと出して戴いたペコリーノ・チーズが最高!旨かったなあ。デザートは本場の頭を突くような甘さではなく、ここは少し日本人向けに直され、ミルフィーユもティラミィスもまろやかに美味。

エリオさんはじめ、スタッフもみなフレンドリー。「あ、有名な方デスネ」など片言の日本語でお世辞も上手(笑)、客のさばきも手際が良い。ただし賑やかなのが嫌いなかたにはお勧めできない(笑)。つくづく東京には良いレストランがいっぱいある。それぞれに個性があってコンセプトも色々で楽しい。
by masa-hilton | 2011-07-09 10:31 | 趣味&グルメ
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