トーマス・オリーマンスさんに会う

バリトンのトーマス・オリーマンスさんにお会いしました。とても素敵な良い人でした。普通バリトンだと、話す声も声楽家の低い声の場合も多いのですが、トーマスさんは甘い声でお話になります。実際の歌は最小のピアニッシモからフォルテッシモまで幅があって、自由自在にのびのびと、自然に心を乗せた語り口に個性があります。運命的な暗さとかではなく、若者の素直な失恋の気持ちが旅発たせたという感じで、素敵なんじゃないでしょうか?

もちろん音楽への解釈やアプローチによって、曲の持つ内容やイメージも変わるものですが、私たちはそれ以上に1部の曲のキー(調)が変わることと、声の質による色合いの差による変化のほうに注目するのです。クラシックですから究極的に物語が変わることはないわけで、簡単に言うと、前者は主人公自身のキャラクターの問題、後者はストーリーのもつキャラクターの色とでもいうのでしょうか?同じ悲劇が起こっても日差しの強さによって印象は変わります。主人公の目に入る町の風景からも微妙な影響があるでしょう?さらにわかりやすく言うと、「冬の旅」には「冬の旅」の、「水車小屋」には「水車小屋」の適温というのがあって、ここから離れると曲の持つ良さが失われてしまうのです。これがピアニストのプロフェッショナルなお仕事。どんな色や人間性が示されても、同じ空気の中に呼び込んで同じ運命をもたらしていく・・・・難しくも楽しい瞬間です。

リハーサルは何も問題もなく1回通しただけでスッキリ終わりました。良かったです!「ブラボー!君はもうこの曲を熟知しているから、何も心配はないよ」とおっしゃって戴きました。「冬の旅」がどんなものかはこのリンクを見て戴ければおわかりになると思うのですが、今回はトーマスさんの抒情的な主人公が相手ですので、いつもよりは優しい「鬼火」や「カラス」が登場しました(笑)。でも下手くそラッパの郵便屋さんは遠慮なくバタバタと(これが逆に難しいんですよね~。ブレンデルの様についつい巧く弾いちゃダメなんです 笑)!

a0041150_047181.jpga0041150_0471664.jpga0041150_0473587.jpg

それにしても今日も暑い。ちょっと用があってリハーサルの前には東京駅でゴタゴタしていました。お昼は大丸デパートで。あまり時間がなかったので、知っているスタッフは見えたのですがいつもの「サバティーニ・ディ・フィレンツェ」はパス。無難に「永坂更科」で「蟹足天丼と2種類の合わせ蕎麦セット」を。蟹足の天麩羅はちょっと生臭かったので海老にすべきだったかな(笑)。「天丼」としては「蕎麦屋の天丼」にあるまじき、高級志向の軽めのテイスト。しかしタレのお味が甘いので江戸っ子はとりあえず満足できますよ。お蕎麦は「御前」(さらしな)「太兵衛」(二八)「生粉打」(十割)と3種類あって「御前」と「太兵衛」を戴いたのですが、ツユのほうは「あまくち」「からくち」がついてきてお好みで混ぜるようにとの指示がありました。私は「あまくち」のツユで「太兵衛」を戴くのが美味しいと思いました(笑)。甘辛混ぜると懐かしや~まさに更科の味!あたり前過ぎてありがたみがありませんね。そして「御前」のほうは触感や味わいもイマイチに思いました。中野の「さらしな」のほうが断然旨いです。お値段は2000円足らず、高級蕎麦屋さんとしてはまあまあでしょう。
by masa-hilton | 2011-07-11 00:51 | 日々の出来事
<< トーマス・オリーマンスさんとの... 本物の存在感!「エリオ・ロカン... >>