さて超高音の連発のマリア・アレイダさん、無事終了!お客さまも大喜び。終演後のサイン・撮影もかなり長時間なファンサービスになっていたけど、彼女はノープロブレムな感じでした。とにかくご本人はとてもかわいらしい人です。
前半のハイノートの難曲はどれも気を遣うものばかり。なかなかあんな風には歌えるものではありませんよ。すばらしい!グラナドスはご存じピアノ曲としても有名な曲でしたので、これはとても楽しかったです。そうは言っても難曲、ソロで弾くよりも難しいかもですね。とても雰囲気の良い演奏だったと思います。
難曲を舞台にのせるのは、スケートの選手権と同じくらいのプレッシャーがかかりそうだけれど、彼女は割とあっけらかんとされていました。そうじゃなきゃとても歌えないんでしょうね。今回のプログラムは初めて歌うものも多く、繊細でとても美しかった「ヴィラネル」も実はそう。後半のクリスマスキャロルも然り。とても風変わりな編曲の楽譜で(笑)、彼女が持参したものにもかかわらず、キーが合わなかったり(笑)、ちょっと不思議な感じでした。さすがに現代音楽テイストの「きよしこの夜」は前日に却下されましたが、ほかの曲もずいぶん即興でメロディもリズムも変えてました(笑)。逆にどんな編曲でも良かったらしいので、それならこちらでお洒落な編曲を用意してあげれば良かったね~。
こだわらないのびやかさ、声の美しさ、そして舞台マナーの艶っぽさ等、ぜひ大きくキャリアを伸ばして欲しい人ですね。アンコールの「キャンディード」はほとんど合わせもなく、ただいつもより「速め」なテンポをリクエストされていました。スリリングでしたね!こういう本番が大好きです。そして最高音の上の上の「ラ」も出ましたね!お見事。
今日1番嬉しかったのは、お客様が「今年も1年、素敵な演奏をありがとう。良いお年を」とお声掛けしてくださったことでした。こちらこそ、心から感謝いたしております。