熱心なファンならご存知でしょうが、またしても
ホロヴィッツの秘蔵ライヴが!今度は50枚組でリリースしますね。ファンとしては嬉しい・・・・もちろん買います。ですが、きっと天国のホロヴィッツ先生は怒っている!私はそう思えてならないです。亡くなってしまったら、本人の許可しなかった物が出てきてしまう・・・・これはある意味裏切り行為でもあるわけで。
今まで私たちが神のように思ってきたホロヴィッツのライヴ録音、昔からある正規の録音が「いくつかのライヴコンサートの音源を合わせて編集したもの」ということは有名です。でも前回の「カーネギーホール」での未公開ライヴのボックスを買ったら、それらが表に出てきてしまって。ひと口で言えば編集前の演奏はとても人間的、もちろん真似の出来ない至芸ではあるものの、我々が聴いてきたあの凄い演奏は、神様でもなければ出来ないんだな・・・・と悲しくもなりました。
専門家としては、「こちらのテイクをベースにして・・・・」と編集の中身もきちんと見えますが、それだけではカバーしきれていない部分も多く、きっとリハーサル録りや録り直しなどもあったのではないか?と思われます。
オン・テレビジョンでの「カルメン」も、ある日のテイクはドキッとする危ない場面もあったりして、これはショックでした。壮年期でも、クライスレリアーナの1曲目は危なっかしく、しかしより良くないコンディションの日のその曲に、魔法のようなニュアンスがあって感動してしまったり・・・・と。そうは言っても、もうメチャメチャ巧いんですけどね。
ま、かたいことは言わずに楽しめばいいのだよってことでしょうか?どうだかな?複雑な気持ちです。