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ロゼ・コンクール 本選の審査でした

昨日は富士市のピアノコンクール、ロゼ・コンクールの審査に行ってきました。今年は予選は体調不良でパスさせていただいてしまったので、ご迷惑をおかけしましたが、かれこれ私は19年!!このコンクールの審査をやっています。

今年は人数的には少なかった感じもありますが、本選を聴く限りでは、かつてないほどの高いレベルでした。小さい子たちはいつもの感じでしたが、中学生以上の部分、そしてアマチュアや高齢者も含む一般の部、大学生を中心とした専門家の部、この3つの部門はプロのピアニストとしても通用するような人たちがいっぱいで、大変良い演奏のオンパレードでした。いつもの年だったら余裕で1位だったかもしれない人ばかりで、その人たちが選外というのはかわいそうなので、私が発案して今年は奨励賞を出しました。ぜひがっかりしないで頑張ってくださいね。

学生の部門も1位のシャコンヌを弾いた人は、おそらくどこでも通用するような感じ。どこから見ても欠点を感じさせないばかりか、共感の深い演奏でした。まだまだお若いことを考えると大変素晴らしいと思います。ドビュッシーの花火を弾いた人も、なかなか大人にしか出せない味わいをうまく出していて、かつ完成度が高くて良かったです。ショパンに関してはもっとロマンティックな様式の把握があるべきだと思いますが、「水の反映」の人は、若いのにもかかわらず十分に個性的で、私は高く評価しました。

一般の部もレベルが高く、シマノフスキーの人のアグレッシヴな演奏とそのテクニックが群を抜いていて素晴らしく、明らかに差がついてしまったのですが、この曲のワルツとかマズルカとかの舞曲的な表現はかなり犠牲になっていて、ここの評価は割れるところですね。またいつもは、どんなにうまくてもアマチュアの人はタッチがおかしかったり歌いまわしが陳腐で、残念な結果になることが多いのですが、今回は音大出身の人ではない人が、かなり良いラヴェルを弾いていました。ペダルの扱いだけはちゃんとしていない感じが丸見えで(特にプレリュード)残念ですが、それでもセンスが良いのか、ハープで聴くラヴェルのように、音色が良いためにうまくカバーできていて、独特な美しさに満たされていました。また「悲しい鳥」を弾いた人の叙情性、描写性もとても優れていると思いましたね。私は映像などの絵画的なイメージだけではなく、温度や匂いまで感じさせてくれる演奏は、特に好きなんです。あと実力はあっても「ラフマニノフのソナタ」は絶対に点が取れません。コンクールでは断然不利であることをお伝えしておきます。

専門の部は賞金も出て、ここがメインなのですが、最近は割と良い人が来ない傾向にありましたが、今年は全員素晴らしかった。頭のメフィストワルツの人から十分すぎる充実した演奏。そのぐらい弾ければ大満足ですね。「ラフマニノフのソナタ」が不利な曲と書きましたが、有利な曲は「洋上の小舟」です。これを弾いた人がいて「たぶん1位を持っていくのではないか?」と思いましたら、やはりそうでした(笑)。その人の「悲しい鳥」も雰囲気がありましたが、一般の部の人のような森の湿度を感じさせるような演奏ではなかった。でも「鳥の声」らしい描写は見事で、ピアノ曲の精度としてもこういう演奏のほうが高く評価される・・・コンクールだから。スクリャービンのソナタの人も見事というか、高いレベルの演奏で文句なく、この二人の争いになるだろう?と思ったのですが、私には「幻想ポロネーズ」を弾いた人がとても良かった。演奏としてはやや傷もあり、混濁してしまった部分、テンポの取り違えが解釈的に間違っている部分があるのですが、構成力と抒情性!!はっきり言ってポリーニなどの演奏でも、ここまでしっとりと心に寄り添っては来ませんよ。こんな幻想ポロネーズ、ましてや若い人の演奏では聴いたことがない!間のとりかた1つとっても、とてもチャーミングで大きな才能を感じますね。ブラームスの人もかなり高く評価できる表現力、こちらの人も才能が素晴らしい。ただしブラームスの人・・・アーティキュレーションが正しくない、なんて残念なこと。それは基本だからね、どんなに才能があろうが優れた演奏だろうが、それが出来ていないと0点つけられても仕方がないことになってしまう。伝統的なクラシックではそこに価値の基準があるのだから。

というわけで、かなり高レベル、大変素晴らしく楽しめた演奏ばかりでした。そしてため息・・・この中の人が何人プロになれて、ちゃんとした活躍ができるのでしょうか?それはピティナの特級などでも言えることですが・・・。現実は厳しい限りです。実際今回入賞したある方は、これでピアノをやめて事務職に就職するんだとか。え~そうなんだ、ビックリです。日本の音楽教育、そして音楽業界、何かが間違っているということですね。と同時に、もはや演奏家になるためにコンクールが、役に立たないものになっているということですよ。経歴詐称のほらっちょな人に騙されていてはいけません(笑)。

さてこの日は早起き。8時半の新幹線に乗ります。お昼まで強行軍ですから朝ご飯を食べなきゃいけないんですが、ぎりぎりに家を出ますと当然駅弁。東京駅のまずい駅弁だと選択肢は少ない。まずくても鰻は好き(笑)!マシなほうですよね、時々は美味しく思うことも。いつもの東華軒の「鰻弁当」です。
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もしかして毎年食べてる?かつては1600円とかだったかな?それでも十分高いけど2300円だもんなあ。
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さすがに小さい鰻ではないけど、やはり「ゴムのような」「長靴のような」食感です。まあ、お味はタレで誤魔化せるからソコソコ戴けますが。「鰻好き」だから大丈夫だよ。

お昼は楽屋で「ヒレカツ」弁当。美味しく戴きましたが、朝鰻食べましたから「お米」はあまり食べず。
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なもんだから、帰りはおなかがすいてしまいました。で、三越に行ったのですが、デパ地下で買う気にもなれず、また鰻!三越のイートインは私の苦手な「いづもや」さんが入っています。なぜ苦手かというとタレが薄い、ピンボケな感じなのです。あとここのイートインは、以前は「焼き」もイマイチで、鰻がパサパサしていたことがありました。「いづもや」さんの本店は、味は同じく薄いですが(笑)鰻自体はとても良質。でもこちらのイートインはそんなこんなで、お値段も4000円近くしますし敬遠していたというわけです。
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でもそれからずいぶん時間がたっていますのでね、三越イートインの「いづもや」さん、楽しみに入店しました。したら大きな鰻!が来ました。
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大きく柔らか。これは蒸し過ぎではないだろうか(笑)と思うほどにトロトロ!高級なアナゴのお寿司みたいな感じですよ。トロトロ過ぎるというのは、これまた好き嫌いが分かれるところですが、上質であることは間違いはありません。上からも撮りましょうか?きれいな焼き具合ですね(笑)。
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タレが自分でかけられるように別について来ました。いずれにしても色々改善されていますね。老舗も日々精進されていて嬉しいですよね。美味しかった!タレ自体は薄味のままだけど、それは好みだから。イートインとしても昔よりずっと良いです。これだったら再訪しますよ。日銀の裏手に本店を構えるお店だけに、日本橋への愛が感じるお重も良かったです!
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ここのところ鰻が多くて嬉しい日々!で、また「鳥かど家」さんに行きたくなってきた、もう中毒かな。
by masa-hilton | 2016-03-26 17:42 | 日々の出来事
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