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ピティナF級決勝大会審査も終わって、普通の生活へ

今年は審査にずいぶん行ってしまった。やはりコンクールにはコンクール向きの演奏があるということを、今さらのように思います。それとは別に、基本的なペダルの使いかたもわかっていない、音の色合いの出しかた、アーティキュレーションのことが雑な人も多く、これらの最も基本的なことができずに、これから演奏家になってどうするの?という危惧も感じました。でも他人様のことだからね~~(笑)、私がやきもきすることもない。大体「様式」についても審査員は、重要に感じている人とそうではない人がいるし、そもそも「予選を通過してきた」のだから「80点以上でつけましょう」などという取り決めも、よく考えると意味不明です。もともと才能のある子、上手な子を選ぶのではないのだからね。そうでしょう?

そもそも伝統の継承ですから「我々の継承者」というか、新しい家元を選ぶような認識です。それにふさわしい技術・才能、そして音楽や先人に対する敬意と姿勢がある人が選ばれて行きます。海老彰子さんもおっしゃるように、だから○と×の選別で良いのだと。ただしこれだけ優秀な人たちの中で「順位をつける」から点数も必要。私は「入賞して良い」人たち6人に90点以上をつけ、結果この中から金銀銅3人も出て、あとの3人もベスト賞に入っていましたから、文句ない結果だと思っています。
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ちなみに私の採点で続くのは89点2人、86点1人、84点の3人・・・89点の子が一人だけ選外になりました。でも90点にしていない人たちは何かしら大きな欠点があったということで、それもやむなしか。この89点の人は、ベートーヴェンの13番が好きな曲だったので、私だけが特別に甘くしたかもしれない(笑)。演奏は全体にPPが出ないのが欠点、同時にバッハの解釈の根底が間違っていましたね。

その他の人、ベスト賞に入った中ではブラームスの118の人が気になります。歌心は良かったですが、アーティキュレーションが間違っていて、それはこの曲では致命的なこと!0点でも仕方がないんです。同じくショパンの10の10のエチュード弾いた人も音楽性豊かでしたが、10の10はアクセントのエチュードであることを忘れた。アーティキュレーションを示さなかったら、これも0点になってしまう。ポリーニはその辺り完璧に聞かせていますね、だから評価が高いのです。というか、こんなことは誰でも教えられる基本中の基本なのに、一体どうしたことでしょうか。

90点以上は全員94点にしたかったのですが、1人だけ91点。この人が銀賞になりました。私がなぜ減点したかというと、ラフマニノフが暗譜忘れの事故もあってペダルも雑だったから。これが目立ったのは、彼はバッハを「ペダルなし」で音楽的にも見事に弾いたからです。なかなか出来ませんよ。ハイドンも同じく見事なぺダリングで、丁寧な音楽作りも非常に良かった。そこへラフマニノフがフレージング小さく登場し(笑)暗譜が失敗したのちは、情感も失われて減点。これがなければ金でも良かったね。

ちなみに金の人は。どの時代の曲もむらなく良いレベルの演奏で、何しろ音が美しいので「水の戯れ」など大いに得をしました。ショパンのエチュードの解釈はアシュケナージのそれに酷似していましたが、それだけ多彩に弾けたということでもあり、その辺りで他の人よりも一歩前に出たという感じです。逆に彼のように、どの時代もまんべんなく上手く弾けている人が少なかったんです。バッハをロマン派のように弾いてはいけないですし、さらにラフマニノフのプレリュードのアプローチが良くない。というか、近・現代というくくりでこの曲が課題というのも変です。このプレリュードの内容はロマン的であるのだから、そもそも近現代の課題曲の役目を果たしていないし、「水の戯れ」との比重も軽すぎる。ラフマニノフなら音の絵の39-6とかじゃないの?ま、この辺りのことは審査会でも大いに話題になりましたよ。
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課題曲の問題はさらに。ロマンなどは下田幸二さんも笑っていましたが、マズルカ1曲!にはビックリ、また同様にエチュード1曲(エオリアン・ハープもOK、木枯らしも)からサンサーンスのアレグロ・アパッショナートって(笑)、焦点がしぼれてないですよ。ちなみにサンサーンスを選んだ人の多くは、アーティキュレーションが荒く、そのためにぺダリングも正しくなくなり、この曲を選んだ意味も希薄に聴こえました。焦点がわからないのはバロックも。平均律にラモーにイタリア協奏曲では(笑)、全く別物であって審査もしづらい。

ここには組織への心遣いで「難しいものばかりだと参加者が減る」という配慮がなされているのでしょうね。でも音楽の道は苦しい茨の道なのだから、受けたい人や覚悟が決まっている人だけがやるべきもので、基本、広く求めるものではない。志してコンクールに受かり、どれだけの人が演奏家を職業に出来ているのか?職業にするために身を売り心を売り・・・とまあ大変なことが待っています。オリンピックと違い「この一瞬輝けば良い」というのではないので。ここが戦いの入り口なのですからね~、気楽に考えては人生そのものがボロボロになるし、音楽家などほとんどの人が「楽なこと」など一つもない毎日ですから(笑)。だから課題の選びかただってさ、ベートーヴェンのソナタで「テレーゼ」の1楽章とか選んで、入賞できるはずがないでしょ(笑)。ちょっと考えればすぐわかることです。

個人的には20番目の人、達者な演奏で成熟した感じもあり、コンクールでK333やオクターブのエチュードを聴くのは辛いことが多いのだけど、良かったと思います。また特級の奥村さん、私は2次審査でしたが、確かに演奏力とか瞬発力では他の人が勝っているかもしれないけれど、2次で全員聴いて現時点「プロでも通じる」と思えたのはこの人だけでした。私がレコード会社のスカウトなら彼女と契約します(笑)!という具合に審査結果だけがすべてではありません。

さすが決勝ですから当然レベルは高いですし、全員上手です。コンクールだから良い点悪い点つけて、あーだこーだ言いますが、入賞者を出さなきゃないから「仕方なく」です。もし私の子供がこれだけ弾いたら、涙が出ちゃうほど嬉しいですね。ご褒美の山を買っちゃいますよ(笑)。十分誇りを持って良いと思います。そしてここまでくるための努力は如何ばかりかと。それだけの労力と時間がかかるのだから、無駄にならないように、基本的なことや誰でもわかることは事前に修正しておくべきだし、課題もよく考えて。それができない環境にいる人は不運!特に高校生までのこの部門は、本人だけじゃなく先生にも多大な責任があると思うので、そこは気を引き締めて向かい合うべきと思います。

さて前回も書きましたけれど、全員が上手というのも聴いていては疲れます(笑)。初日の審査は3時からだったので、ゆっくりランチして出発です。美味しい洋食!人形町の「ぐるとん」。私が大好きなのは個性的な「チキンチーズのパン粉焼」。定番!
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最近食べている人が増えました。私がひたすら食べ続けているせいですかね(笑)。不変のメニューであってほしいので、それも大歓迎です。

今回の審査はヤマハホール2階席。楽器も響きも良いですが、審査席はかなり傾斜があり、また普段見ない「近い上」からの審査なので、演奏におけるテクニックの変なクセとか、妙な肩の動きとか、思わぬものが見えて面白かったです。審査会は楽しく和やかでした。休憩時間はおやつも出てきて談笑が続きます。
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赤松くんとかが「斎藤先生は子供の時からお聴きして、CDも持っています」などとサインを求めて来たはいいけど、ひたすら若さを強調するので(笑)「君の写真見て不動産屋の社長かと思ってたよ」と言って爆笑、「いや、僕は30台なんです、若いんですぅ~~~」とまた爆笑。小原さんとはトーク・コンサートなどで企画が被ることもあるので、逆に意気投合できます。彼も昔作った私の楽譜を持ってきて「はい、サイン」てさ(笑)、恥ずかしいではないですか(笑)。今後は新しい企画ができるかもしれませんね~、こちらも資料お渡ししたりしました。チョイ後輩の田代くんは、芸大1年のとき「北海道から郷ひろみみたいにかわいい男の子が来た」と言われてたな~。久元さんも学生時代から知っているので、「久元さん」ではなく「ゆうこちゃん」なんだけど、近々に私の友人の武田忠善さんとの共演がある!ということで盛り上がりました。

審査員話の中で、曲と曲の間(始まりもですが)を、とても時間長く待った人たちは超~不評でしたね。たぶん先生から「落ち着くまで弾くな」とか「人のことは考えないで良いから集中して」などと言われたのでしょう。これ(爆笑)、とんでもないですよね。そもそも演奏は他人のためにする奉仕活動だし、ステージもお客さんあってのもの。自分のことだけ考えているだけで、すでにアウト!じゃないですか。審査員のことも・・・考えたほうが良いですよ。演奏家になれば主催者と相談し、他人が喜ぶコンサートを作るわけでしょ?そういう意味で練習より打ち合わせのほうが大事だったり、「自分の好きな曲を弾く」ことなど・・・ほとんどないですからね。

武田先生が1日目終了後「ご飯食べない?」とおっしゃったので、即スマホ手配してお気に入りの「渋谷ロゴスキー本店」にお連れしました。他の審査の皆さん足早に帰られちゃったので、お供のメンバーは小原さん、下田さん、私になりました。
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ここでは、いつものメニュー、皆さん美味しいと言ってくれてひと安心。ボルシチ、ニシンの酢漬、ピロシキやペリメニなどなど。
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さらにリラックスしてバカ話炸裂!!楽しかったです。そして翌日は朝からの審査。でも慣れてきたせいか、あまり疲れませんでしたね。ラッキー!

お昼になり、お弁当は再び塩辛い「金兵衛」の不味い弁当だったら「脱出しよう!」と考えていましたが、そんな声が聞こえたか(笑)、米八のおこわ弁当に!
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炭水化物は多いけど、お味はバラエティに富んでいてよろしかったです。

その後も無事に審査が終わり、集計の会議もサクサク終わって、逆に今度は私が忘れ物をして取り残されたので、夜は一人でお寿司の「江戸浜」に行きました。美味しい!解放感!
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肉厚の「大トロ」おかわりに、プラス、何と!クジラの握り!隣に外人が座っていました(笑)。気にせず食べます!超旨し。
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貝が美味しい「江戸浜」さん、「つぶ貝」「たいら貝」などは外せない。小さめに握られちゃったけど美味しい。「たいら貝」は「太田鮨」さんみたいなやり方が良いなあ。そして「赤貝」。
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次の日はさすがにゆっくり起きて、起きたてに焼肉。人形町高級焼肉の「燈花」さんです。「かいのみ定食」。
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上質希少部位!!さすがに旨い!満足!
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おまけにメス牛ですからね、美味しくて当たり前。ホルモン追加、これも定番。大満足。
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気分はすっかり元に戻りました。人の演奏のことを言ってる場合じゃない。がんばらねば~!やっと通常モード。他人の演奏から離れて、まずはお気に入りの富沢町「喜久川」さんまで出かけて「鰻」だ!
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すばらしく美味しかった!そしてこれからプーランク(爆笑)。
by masa-hilton | 2016-08-25 14:44 | 日々の出来事
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