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ロック☆スター

一昨晩、深夜に「ロック・スター」という映画をやっていました。ストーリーもギンギンロック!

・・・・地方にいて、カリスマバンドに憧れているクリスは、そのバンドを忠実にコピーしたバンド活動をしている無名なヴォーカリスト。やがてこだわりが強すぎて仲間とも争うようになるが、ひょんなことからその実力が認められ、なんと憧れていたカリスマバンドのヴォーカルに迎えられる。その日から彼の生活が一変する。ロックスターとしての生活、それは常識を超えていた。有り余る金と女・酒・・・・いっしょに行動を共にしていたクリスの恋人も、理解しようとするものの耐えられなくなっていく。旅の移動の時も(バンドはみな妻がいるが)妻たちは専用のリムジン、バンドのメンバー達は豪華バスの中で、若い女達とセックスにふけっている。コンサートが終われば毎夜毎夜の乱交パーティ、それぞれの部屋にファックの順番を待つ女達の長蛇の列ができる(整理券が配られている!)。「寛大な心を持つんだ、彼はスターなんだし、手に入らないものは何もないんだし」というマネージャーの言葉にも耐えられなくなったクリスの恋人は彼の元を去る。クリスもまたスターの生活に埋もれていく。そしてメンバーが言う究極の一言(笑)「何を迷う?俺達の前には無数の女がやってきてケツを差し出すんだ。求めてくるのさ。それがモテる、かっこいいって事なんだ。そのかっこよさに男達が憧れるんだ。それでレコードが売れる。スターって言うのはそういうものだ、もてなきゃ始まらないんだよ、楽しめ」。しかし享楽的な日々の中、そうしてファンのニーズに答え、バンドのイメージを保ちながら営業していく毎日には、何のクリエイティヴなこともないことにクリスは気がついていく。クリスは脱退して、「自分の歌うべき歌」を歌える名もないバンドに戻る・・・そして彼女もまた彼の元に返ってくる・・・・・

ロック☆スター_a0041150_16272080.gifこの映画ではアーティストというのはやはり自分の納得する何かを求めてこそのものだ!と言っているわけで、確かに芸術家が自己の開花や芸術観のために苦しんだり、自殺したりのドラマはおなじみです。でも実際の所そんなんじゃ食べていけない。絵とか作曲なら後世で評価も得られるけど、演奏家は目の前にいる人に認められなければならないわけで。もちろん自分の満足のために演奏できたら楽しいし幸せだけれでも、人のために演奏することがさらに価値があるんだと思える人こそ、もっと素晴らしいしプロなんだと感じます。誰かが、コンサートに足を運んだことで、幸せな気分になってくれるってホント素晴らしい!誰かのための演奏だから苦しいし、また重みもある。だから極端にそんな狂気な生活でも、バンド活動を続けてる人たちの方が、やっぱり凄いしプロなんですよ、クリエイティヴな自己を犠牲にもするわけだから。ゆえにモテるのだろうし、プロアマ(自称プロも含む)実力はどちらが上かわからないけど、ここに違いがあるんでしょう。去った主人公は結局アマチュアに戻ったに過ぎないのです。

この歳になってこのようにコンサートの意義を理解するようになると、本当に心から「感謝しています」と言えるようになる。そして「皆さんに喜んでもらえるステージって?」とまずそれを第一に考えるし、それが喜びにもなってきますね。若い頃は「もっと謙虚にやりなさい」と先輩に言われたり「お客様は神様です」という言葉に従うようにして「感謝します」と言っていることも多いと思う。自分の才能を信じているし理想にも燃えているからあたりまえでしょう。あさってのスーパートリオのコンサートも、この年齢だからこその楽しいステージなんだと思います。それぞれがお客様のことを考えてのステージが、満足のいく空気を作るんですね。やり続けていて良かったと思うし、やり続けられたことを感謝したいです。あらためて皆さんに心から感謝いたしますと共に、メンバーにもぜひお礼を言いたい。
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2月22日のコンサートもクローズではないようですね。町田市民ホールです。皆様のお越しをお待ちいたしております。さすがに終演後、整理券を持って並んでいただくほどではありません(笑)。あ、そのぐらいじゃなくっちゃいけないのか~~、あはは。
by masa-hilton | 2006-01-26 16:43 | 音楽・雑記
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