ストレンジャー・イン・パラダイス

「ストレンジャー・イン・パラダイス」は大歌手トニー・ベネットのビックヒット曲。もとはミュージカル「キスメット」の中の曲で、さらに言うとボロディンの作った「ダッタン人の踊り」のあの有名なメロディーによるポピュラー曲だ。そして今はJR「京都に行こう」で使われているが、ストレンジャー・・・の意味合いと兼ねた、なかなか洒落た選曲だと思っている。京都なんかにはゆったりと行くのが1番だが、仕事となれば「急ぎ京都に行こう」とあわただしく帰ってきた。

a0041150_235291.jpga0041150_23522710.jpg時間があれば芸事の神様の「八坂神社」にお参りするところだが、今回は通りすがりで「詩仙堂」のお庭をざっと拝見。日本人の心を映す静けさの庭も、こう人が多くて暑いとただの庭にしか見えない(笑)。しかし秋の気配、真っ赤なトンボ君が目の前に止まった。日陰を求めて「法然寺」へ。なぜここに行ったかというと、人形町が生誕の地である谷崎潤一郎のお墓があるので、ちょっと墓参りと思って。しかし時間もなくて見つけられず、かわりに古いお墓の地縛霊や怨霊をいっぱい背負って帰ってきた。最近浄化されてしまったのか、家で霊に出会うことも少なくなったので仕入れてきたというわけだ(笑)。紅葉の季節になればこのかやぶきの山門も美しいだろうに。この門もJRのコマーシャルでお馴染み。酒肉に溺れるものは通ってはいけないとあったが、それはもう謝るしかない。

京都といえばおいしい物だらけ。先斗町あたりでおいしい「おばんざい」をということで出かけたのだが、行ったのは「モリタ屋」(笑)。肉の店、創業明治2年の老舗、京都初の牛肉専門店で、丹波高原の京都肉による「すき焼き」や「しゃぶしゃぶ」。メチャクチャうまいのよ!

本店ではないが、木屋町店は鴨川の床で食事が出来る大変優雅な、日本情緒たっぷりな店だ。東京人は「部屋にするか床にするか?」と聞かれたときには、「床」はテーブルのことかと思ってしまうのだが、屋外の川原にせり出した席のこと。せっかく京都に来たのなら・・・とは行かないのが私。こちらは風情より暑さが苦手!と部屋を選んでしまうのだった。東京にいても暑い舟遊びだったら絶対にお断りだもんな。仕方がない。メニューは「特選すき焼き」のコース7870円を選ぶ。東京に比べれば随分とお安いでしょ。びっくりだ。そして比べられないほどうまいのさ!さらに「肉刺盛り合わせ」を追加して至福のとき。前菜には牛肉を湯葉でまいたり、鯛をくるんだ物等、どちらかといえば見た目もシンプルなものが並んだ。普通なら凝った日本料理の粋を見せよう物だが、主役は肉。でも味はどれもうまい。さすが京都だ。そして肉の刺身!うま~~い。みすじ、いちぼ、ヒレの盛り合わせだ。脂の乗ったみすじが一番うまい。にんにく醤油にもよく合った。「すき焼き」はさらに最高。砂糖を引いて焼いていただく肉の旨みは気絶ものだ。実は丸の内にもあるのよね。でも食べるんだったら京都で食べたいよね。

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さて急ぎの京都といえば、いつも行くのがホテル・グランヴィアの天麩羅屋「京林泉」。多少お高いこともあってすいているし、天麩羅はともかくとして前菜とデザートの細やかさが絶品なのだ。そこは以前も書いたとおり、健在だ。この麗しい前菜を見よ!毬栗のイガイガは蕎麦で出来ている。細かな揚げ物や茗荷の酢の物を使った小さな寿司もうまい。天麩羅は11種類、こちらは軽めの衣に新鮮な素材。トウモロコシ、枝豆辺りが実にうまい。魚は塩がききすぎていたり、アナゴは江戸前には及ばなかったり、その辺りはご愛嬌だ。待ちに待ったデザートは巨峰のゼリー!うまいよね。ほんとにすばらしい。急いでいても忙しくてもおいしいものを食べられれば元気だし幸せだ。

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a0041150_22545929.jpgそこへいくと2日前の碧南の旅はかなりきつかった。朝ビタミン剤のかわりに飲んだオットセイのなんかみたいなのが(笑)、体に合わなくてその日は最初から気分が悪かった。あはは、参った参った。でも大切な日。碧南のコンサートは4台のピアノのコンサートなので、4台のピアノでリハーサルというのが会場でしか出来ないので前日入りとなったわけだ。おまけに4人とも売れっ子で時間もないしね。オットセイの効果があったらしく、長めのリハーサルは無事終了。仲良しの三舩優子さん、広瀬悦子さんは言うまでもなく、初対面の松本和将君も気さくでノリが良いので順調に運ぶ。強烈な曲が次々と並ぶお祭りコンサートは、リハーサルしていてもワクワクで楽しいね。ピアノ自体も4台とも良い調子で、ベーゼンなんかも良い音をしていた。むしろスタインウェイの方が硬めな音なのも印象的だ。

a0041150_104018.jpga0041150_112421.jpgそのあとホテルで4人でご飯となったが、ここで頼んだステーキがおいしくなく(笑)、気分がさらに悪くなって珍しく早く寝ることになった。コースはいい値段をとっているし、本格的なシェフが作っているかのような写真もあったが、これはどうしちゃったんだろう。フォアグラもあったけど、選ばなくて良かったかも(笑)。おいしいものばかり探求しているわけではないけれど、やっぱり人生には潤いが必要だね。

朝になってわかったのだが、ホテルの隣は遊園地?もう朝9時から始動していて、なかなか楽しい場所だ。申し訳ないが朝食もかなりひどかった。和食についていたのは「イシイのミートボール」(笑)、納豆もまずく広瀬さんも殆んど手をつけていなかったね~。参った。

ところで広瀬さんも松本君もフランソワや昔のピアニストが好みだとか、なかなか面白いね。今回はそれぞれの個性を発揮してのコンサートで最高だったけど、それ以上に大切なのは、楽しくノリノリで本番ができることだ。そういう意味ではとてもすばらしい時間だった。例えば、ストレンジャー・イン・パラダイスの「ダッタン人」もやったが、これ、オーケストラでやっても少し間が持たないくらいだから、ピアノ2台だとちょっとくだらなかったりする。でもいつもCD売り場で「ダッタン人のCDはないですか?」とお客さんが殺到する。それはこちらの演奏者のテンションがそうさせているのだと、誇りに思う瞬間だ。すばらしい共演者の皆さん、本当にありがとう。パッション・イン・パラダイスに乾杯!
by masa-hilton | 2008-09-16 00:13 | 日々の出来事
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