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テッポネンさんのコンサート無事終了

テッポネンさんは思ったよりも若い人だった。20~30歳のちょうど間ぐらい。あんなにのびのびとした声が安定して出ていて、本当に実りある将来が期待できるだろう。本番は曲間で舞台袖に入ることなく歌い続けた。本当は舞台袖に入ったほうが曲の雰囲気も変わって良いのだと思うが、そこは若さの勝利!その行為は簡単ではないし、若いうちにしかできない華麗な技!もちろんOKだ。本番直前まで楽屋でフルヴォイスでアリアを全曲通していたし(笑)、やはり若さはすばらしい。評論家を気取る人は内容がどうのとけなすかもしれないが、演奏家にとって「若い」ということは最も偉大なる財産だと私は考えている。それは2度と帰ってこないものだし。今回はそういう思いを味わえて、とても楽しい演奏会だった。余談だが彼女は腕のところに刺青で「恋」と彫っている。ちょっと驚いた。そして楽屋で姉妹でふざけているのを聞いていても、なかなか肝が据わっている。それもまたさすがだと思った。

私のほうは「コンサートが無事に終わって良かった」という年寄りならではの感想(笑)。いつもながら毎日があわただしい。前の日はまた頭痛だったし、ちょうど今コンサートの打診が押し寄せてきていて、それがみんな企画の段階だから(笑)、企画そのものが大事ということになる。結果、その半分が実現できればかなり良いほうだろう。企画書を書いたり、編曲もまだ全部終わっていないし、新しい曲の譜読みも数多くあり、何となく落ち着かない。これもままあることだが、舞台に出る直前にコンサートの打診があり、企画も含めて予算のことまで頭で整理していると、さすがの風来坊の私でもロマンティックな要素は抜け落ちる。その気分の転換のタイミングを間違えると思わぬ失敗をしたり、失敗はなくても何となく気乗りしない演奏になってしまい、それでは本末転倒だ。何があっても舞台第一で動いていないと。若いうちならパニックだが、今回も良いタイミングで舞台の気持ちに戻って来られてめでたしだ!プロデューサーにも「何がおきても落ち着いて崩れることもない。何の心配もないですね~」と褒めていただいたが、そうなるまでには経験値が必要だった。歳をとって良いことも少しはある。
by masa-hilton | 2009-04-18 23:31 | 音楽・雑記
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