カテゴリ:音楽・雑記( 133 )

ティッシュ

ある人から戴きました。これが誰かに似てるって言うんですが・・・・あえてピンボケにしました(爆笑)
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カメラ関係のお店? まあ、H店の広告じゃなくて良かったぜよ!

by masa-hilton | 2017-03-06 23:28 | 音楽・雑記

おかげさまで

新しいCD「メランコリー」は、コンサートでは即売が始まっていますが、おかげさまで大変好評をいただいております。本当にありがとうございます。

このCDには私がいつも弾いている曲、今まで長い間弾いてきた曲が多く入っていますので、そのことでもお客さまから喜ばれているようですが、私も長い間お付き合いを戴いているお客さまとの絆のようなものを感じることができました。これは何よりも大きな勲章です。演奏によって、自分の人生が色々な曲に彩られてきているわけですが、同じように感じてくださっている誰かがいて下さるって、本当に宝物のようなことです。心から皆さまに感謝いたします。
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リリースして本当に良かったです。これからも頑張ってまいります。

by masa-hilton | 2016-12-22 23:34 | 音楽・雑記

閑話休題

ところで、自己路線を貫くテレビ東京、アニメの主要チャンネルでもあり大好きなのですが、お昼にやっている映画の「サメ」シリーズのバカバカしさが群を抜いています。B級映画というが荒唐無稽、でもストーリーも一応あって(笑)。どこにでも出現、空高く(笑)、そして宇宙に舞うサメくんたちの勇姿・・・ここまでのバカバカしさは日本人には絶対作れないものかもしれません。

ピアニストは小さいPPPが出せるピアニストは、オーケストラも圧するような強い音fffも出せます。中途半端なフォルテしか出ないピアニストは、弱い音も出ない。これは単に指のコントロールと脱力の関係なんですが、それを思い出しました。

けた外れにバカバカしいものを思いつくような人たちは、心を揺さぶるような感動巨編も作れるのではないか?確かに国産の感動巨編は泣けない映画だったりもしますよね。突きつめることで初めて何かの境地がある・・・日本でも「わびさびの境地」や、歌舞伎などの芸の道など、十分にそれを感じさせる世界は数多くあります。やはりアーティストは、MAXに挑んではじめて真理が見えてくるのですね~~たいへん。

フレーフレー!テレビ東京!お昼の映画のセレクション!引き続き楽しみにしています~~!
by masa-hilton | 2016-07-06 16:28 | 音楽・雑記

はやりすたり

今どきだとバックハウスのベートーヴェンは流行らないんだそうである。現代人の好みと合わないのだろうけど、なぜ合わないのかもよくわからない。国民性もある。例えば私なんかは昔のフランソワとか好きだし、日本人は結構好きだよね、彼のこと。が、ご当地のフランスではフランソワなど遺物になってしまっていて、語る人も少ないんだそうだ。そういえば存命のころは神のようにあがめられていた指揮のベームも、近年は評価をぐっと落としているではないか。良いものは良いと思うのだが、よくわからない。

バックハウスは昔のLPのジャケットを見ると、小林利之や藁科雅美のような人が「武骨なベートーヴェン」と評していた。情感をすべて落として、その芯だけ、内容だけを示しているというようなことも。私は子供のころから全く理解できなかった批評だ。きっと今は意見を変えておられるのではないかと思うが、当時の「武骨」じゃないベートーヴェンというのは、ケンプのような人のことを言っているのである。しかしこれも不思議。テクニックのせいもあるが、抒情的な流れの中に突然の強いアクセントや、極端に短いスタカートを使うのはむしろケンプであって、バックハウスは貴族的な情感でくすんだトーンの中で、音楽的でないことは一切しない。映像を見るとさらに明白で、ピアノ協奏曲の第4番、特に第3楽章などは上品の極みともいうべき、ヨーロッパの香りに満ちていた。

もちろんケンプがシューベルトで示すような、すべてを許してくれるような慈愛の表情はないけれど、そのシューベルトでも伝統的な舞曲の要素や歌い回しによって、ケンプにはない民族的な喜びを奏でることができる。そしてこういう「味」というのだろうか、これはどう真似したって出るものではなく、失われた至芸の1つ。はやりすたりだけで論じてはいけないものだろう。

とはいえ、現代を生きる人間の好みがすべてを支配してしまう。その「今風な好み」って実は混とんとしているのでは?バーンスタインやショルティなどから、最後はアバドなんかで確立されてきた現代的な音楽表現の喜びは、これからどのような方向に行くか、やや試行錯誤中ではなかろうか。

で、本題なのだが、私は今どきの「コシのない極細の日本ソバ」が苦手なのだけど(笑)、これがけっこう人気らしい。そしてその良さが、全く理解できないで困っている。でも、理解できない人もまだまだ多いらしいので大丈夫、ひと安心(笑)。バックハウスのピアノはいつでも聴けるけど、フニャ細の蕎麦しか食べられなくなったら(笑)・・・・それは辛い!マジ辛いぜ!とまあ、本当にくだらない屁理屈の流れ!ごめんなさいね~(笑)。

「コシ」の強さ、私たちの好みのお蕎麦を出してくれる強い味方は人形町にもある。「うさぎや」さん。「蕎麦味噌」のようなアテもかなり旨いし、うるさい酔っぱらいはいないし、文句ないベストなお店。オープンの時から大好きだ。
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少し寒かったので「鴨南蛮」。これがまた旨いんだね、大好物だ。鴨の味も最高だけど見た目も美しく、女性客からは歓声も上がるんだそうだ。
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私はしょうが汁が苦手だけど、お昼どきは「かきたま」のような「卵のお蕎麦」が今は人気だということだ。次の対談、ここでやることにした。ぜひお楽しみに。
by masa-hilton | 2015-11-05 20:20 | 音楽・雑記

来た来た!やった!

出来た!の次は「来た!」で恐縮!ホロヴィッツの全集3番目が来ました。それは予告した通りです。

もっと音質の悪い、会場で盗み録りした録音か?と思いきや、本人の許可さえ出れば正規盤に流せる範囲のものばかりで、とても満足!実際のところ、この演奏の多くの部分が編集で、切り貼りされる「部分」、いわゆる材料として、私たちの知る正規の録音に使われている。それも明記されていて面白い。とにかくデカイ!厚い!LPレコードやレーザーディスクのサイズ、大昔ワーグナーの「指輪」とか買うとこんな感じだったよね。
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隣の楽譜が普通のピアノ譜ですから(笑)。ちなみに杉並公会堂の3大ピアノコンサートで金子くんと弾く「パリのアメリカ人」。これ、超難しいです。特にファーストのパート・・・私ですね(汗)。こちらもお楽しみにです。それでホロヴィッツ、でかい中身はお中元の缶詰みたいに(笑)、いや「鰹節セット」でしょうかね。4分割です。
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もちろんまだ全部聴いていません。時間かかるよ。まずは「クライスレリアーナ」がうまい!すばらしい!前の全集でも楽しめましたが、その前後の3種のライヴ。初日に近いほうはいつも慎重なホロヴィッツですが、今回はけっこう好きだな。ラフマニノフのソナタや葬送ソナタは良いのですが、シューマンのソナタ3、ベートーヴェンの28番のソナタがいっぱいあるのは疲れそう。逆にスクリャービンの5番は少なくてももう1つあるはずなんですが、それは入っていない・・・残念。今回の5番は2月29日のほうので、こちらはアンコールのスクリャービン練習曲も良いですね。お得意の英雄ポロネーズも、ワシントンのアンコールなどは気分良く弾いている感じが伝わります。また妙に個性的なやつかもあったり、得意な「花火」でも失敗しているのもありますので、ホントにライヴ感は満載。正規盤ではよくない「メフィスト・ワルツ」なども何種かあって、これはそれなりに面白いのもありました。まだ未聴ですがショパンの舟歌やバラード、ポロネーズの5番などもたくさんあって、きっとすごい演奏もあるに決まってます。期待大です。

ジョージ・セルにイヤミを言われて落ち込んでしまった話とか、悪意のある評論家のせいで演奏が出来なくなったりと、そんなエピソードも満載。演奏家の繊細な気持ちはこんな大物でもあるんですね。かと思えば、ルービンシュタインのコンサートに行って休憩時間に挨拶に行ったりしてるんですね。そしたら後半がボロボロになったらしい(笑)・・・・それは(笑)ホロヴィッツが悪いような。聴きに来られるのも嫌だよね、まして挨拶に来られるのも嫌です(笑)。

今回のは前回のカーネギーホール全集とは重なりがほとんどなく、良かったです。これも買って良かった!この2つだけにしておけば良かったんだよ。
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発売された正規盤集大成70枚組、これがもったいなかったなあ。処分したけど、ほとんど家にあったものばかりだし、あとの2つの全集とも重なっている。
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でもやはり上手い!なかなかこんな人はいない。彼ばかりではなく、昔の演奏家はホントに素敵だと思う。つくづく。

ちょうど現在はショパンコンクールの真っ最中だね、2次予選ぐらい?チャイコフスキーやリーズも終わって、若い人たちもみんな頑張っている。今はネットで実況が見れるから、賞をとったからと言っても安心はできないよ。昔は何も分からなかったから入賞=神だったけど、今は審査員の質や好みの偏向もわかるし、落ちても「下手だから落ちたのではない」ということも、バッチリ確認できる。点が集まらなかった個性派ピアニストたちも、夢を奪われないで済むよね、これは良いことだ。反面「もともと個性に順位はつけられない」ということになって、コンクールの存在意味そのものがフェイドアウトされることにもなるだろう。近い将来ね。

世の中はそうして変わっていくけど、いつの時代も情熱を失わずに頑張ることが1番だと思う。私も自分なりに頑張ろう(笑)!若い人たちは、ギンギンに頑張って!ね!
by masa-hilton | 2015-10-12 19:11 | 音楽・雑記

またしてもホロヴィッツ秘蔵録音が!

a0041150_1335519.jpg熱心なファンならご存知でしょうが、またしてもホロヴィッツの秘蔵ライヴが!今度は50枚組でリリースしますね。ファンとしては嬉しい・・・・もちろん買います。ですが、きっと天国のホロヴィッツ先生は怒っている!私はそう思えてならないです。亡くなってしまったら、本人の許可しなかった物が出てきてしまう・・・・これはある意味裏切り行為でもあるわけで。

今まで私たちが神のように思ってきたホロヴィッツのライヴ録音、昔からある正規の録音が「いくつかのライヴコンサートの音源を合わせて編集したもの」ということは有名です。でも前回の「カーネギーホール」での未公開ライヴのボックスを買ったら、それらが表に出てきてしまって。ひと口で言えば編集前の演奏はとても人間的、もちろん真似の出来ない至芸ではあるものの、我々が聴いてきたあの凄い演奏は、神様でもなければ出来ないんだな・・・・と悲しくもなりました。

専門家としては、「こちらのテイクをベースにして・・・・」と編集の中身もきちんと見えますが、それだけではカバーしきれていない部分も多く、きっとリハーサル録りや録り直しなどもあったのではないか?と思われます。

オン・テレビジョンでの「カルメン」も、ある日のテイクはドキッとする危ない場面もあったりして、これはショックでした。壮年期でも、クライスレリアーナの1曲目は危なっかしく、しかしより良くないコンディションの日のその曲に、魔法のようなニュアンスがあって感動してしまったり・・・・と。そうは言っても、もうメチャメチャ巧いんですけどね。

ま、かたいことは言わずに楽しめばいいのだよってことでしょうか?どうだかな?複雑な気持ちです。
by masa-hilton | 2015-09-01 01:41 | 音楽・雑記

若き日のバラキレフのイスラメイ

a0041150_0474335.jpgちょっと困ったことになりました。大変ご好評を戴いている「1979年のリサイタル」に続いて、2枚のアーカイブCDを出そうとしています。1つはライヴですが、もう1つは放送録音をまとめたものです。それが可能かどうかを、いまNHKと相談しているところなのですが、ある愛好家のかたがその秘蔵録音をユーチューブにあげてしまいました(笑)。

ロイヤリティを払われているとは思えないので、違法かもしれません。無断使用ですしね(笑)。きっと番組の権利を持つNHKサイドから、そのうちクレームが来てエライことになるとは思うのですが、私はどうしようかなあ?困るには困るのですが、こんな古い録音を大事に持っていて下さったことに、心からの感謝を申し上げたい気持ちもいっぱいなんです。

この録音はNHK「午後のリサイタル」の1980年の放送用の準ライヴ録音。まぁ、せっかくだからここ(笑)。

プロコフィエフのソナタ7番とバラキレフのイスラメイ、ショパンのマズルカを1曲弾いています。プロコフィエフもお気に入りですが別の録音もいくつかあるので、これを使うかはわからないですが、バラキレフのイスラメイは当時オンエアされたときもけっこう話題になった爆演なので、CDでのリリースを計画中なのです。あの当時は、ここまで思い切り弾ききると評価が分かれたりしたものですが、現代はランラン達の時代ですから、むしろ皆さんスッキリ受け入れて下さり違和感なく聴けるかと思います。

あの広瀬悦子さんにこっそり「どう思うか」聞いてみたら「最高にエキサイティング!」と言ってくれましたので、お世辞でも嬉しくなっちゃいまして(笑)、とりあえずどうするかを考えつつ、しばらくはこのまま保留にしておくことにしました。でも本当は困るのですよ(笑)、きっと他にも困っている方がいると思います。

(後日談) やはり次々にアップされてしまうということもありまして、CD化するにあたり色々と法的にもまずいので、結局私の演奏はブログ主さんにお願いして、ユーチューブから落としてもらうことにしました。
by masa-hilton | 2015-06-02 23:30 | 音楽・雑記

「愛の夢」ってちょっとイヤな曲だったりする(笑)

リストの「愛の夢」第3番をレコーディングする予定にしていて、時間があるときにいろんな人の演奏も聴いたりしていますが、「何かイヤな曲なんじゃないの?」という結論に達しそう。

何回も舞台で弾いたことがあります。自分が満足できたときにはあまりウケなかった。逆に、思いの外に爆走してしまって「ありゃりゃ」と思ったときは、「とても良かった」とか言われて(笑)。この曲、冷静に弾くと安定して弾けて良い感じだけど、それではつまらないんですよね。かと言って感情的に爆走しちゃうと(笑)、弾いている本人にイヤな後味が残ってしまうんですよ。色々な表現の可能性がありますが、実は爆走するほうが本来は楽譜にあることなので、そのあたりのコントロールがまた難しい。

内容もある曲だし、本来はショパンの「別れの曲」ぐらいに「精緻に取り組んだ方が良い曲だ」って、練習していると気がつきます。そうは言っても、レッスンに持っていくような曲じゃないから、ちゃんと教わらずに自力でやることが多い曲。難易度自体も特定しづらいでしょ。まずは客ウケがするからという安易な理由でのみ弾かれることが多い曲・・・あらためて人の演奏を聴くと、かなりいい加減なものが多くビックリしますね。例えばユンディ・リとか・・・・絶対なめてますよね(爆笑)。またある有名な男性ピアニスト、今や中堅の立派な先生です。彼が若いころアルバムで弾いたものですが、ペダル1つまともに踏めていません・・・フレーズもメチャクチャで。そんな感じのものがいっぱいあるんですよ!それは「習ってないから地のまま?」ということなんでしょうか?そりゃヤバイ話だし、ちょっとひどいなあ(笑)。

a0041150_5305176.jpgあの演奏力を誇るランランにしたって、ランランの割には・・・な「愛の夢」でした。あるアンコールで弾いたときは恣意的というほどに個性的で、あちこち不自然に不自由そうな様子、でもコレ、実は昔のウラディミール・ドゥ・パハマンの演奏にとても似ていました。パハマンの演奏はそれこそ超個性的なんですが、リストが亡くなった時パハマンは40歳くらいの感じ・・・・タウジッヒ(リストの弟子)の演奏を聴いてショックを受けて引退中、リストを聴きリストに師事してカムバックという話もあるパハマン。この解釈がはたして「恣意的だ」とは言い切れない歴史の背景があるんですよね。少なくても当時の空気がそこにあるわけで、それを狙ったかランラン!パハマンの弾くリゴレット・パラフレーズ等、妙にハマっている感じがあったりするわけで、この辺りは実に興味深いところです。

さて「愛の夢」、大体ホロヴィッツとかミケランジェリとか弾かないですね。アシュケナージとかアルゲリッチとかポリーニとか、ギレリス・・・・弾いてるかもしれないけど聴かないですよね。我々の知る巨匠たちはあまり弾いていません。バックハウス、ルービンシュタインやアラウ、モイセイヴィッチは録音もありますが、彼らの代表的な演奏という、ハマったイメージがありません。もちろんルービンシュタイン(DVDのほう)など、とても上手なんですけどね。その前の時代の巨匠は弾いている人も多いですし、現役のリストの弟子たちでもあります。でも前述のようにそれぞれ個性的すぎて、リストの弾いた実態を判断するのは逆に難しいです。エミール・ザウアーの詩的な演奏は、リスト自身の解釈を示唆したものという意見がありますが、ハッキリしているのは、このアプローチは比較的「容易に出来そう」に思えます。実際もっとロマンティックな演奏でないと、非凡な才能が感じられない。

現在のスタンダードはホルヘ・ボレットの晩年のものとかですかね?優しすぎ?癒し系?現代人には良いのでしょうか?もっと大マジメに楽譜を大切に、デュシャーブルのような真剣な演奏も手堅いパターンでしょうけど、つまらなく感じます。フランス・クリダのものはぺダリングがプロッフェショナルとは思えないくらい工夫がなく残念。ジョルジ・シフラはたくさん弾いていて、ライヴではかなり適当な感じ。それがランランのようなわざとらしい感じではないので「前時代の巨匠との接点」のようにも感じられます。シフラにしては抒情的な表現でゆっくりめな感じは、他のレパートリーとの対比を考えてのことでしょう。巧くいっている録音も2つぐらいありますが、シフラ自体を一流ピアニストとして評価しない日本の評論家が多かったので、日本ではその解釈が浸透していきません。おかしな話です。

a0041150_528322.jpg今の若い人たちは、ネットなどでたくさんの音源を聴くことが出来ますから、本当に幸せです。ホントに今、色々な演奏家が予想もしなかった曲を普通に弾いていたことを知って、ショックを受けています。これは当時の評論家の責任ですよね、ひどすぎる!「情報がない」なんて言い訳すらおかしいですよね(笑)、それがお仕事なのに~。そんなこんなで我々の子供のころ、弾かない巨匠も多かったこともあって、レナード・ペナリオとかゲーリー・グラフマンなど、アメリカ系のピアニストで「愛の夢」を認知した人も多いと思います。でもその辺りの人たちは、実はうまい人だったりするので、悪いことはありません。ジェローム・ローウェンタールの幻想即興曲とか(笑)、とても懐かしいですよね。

そんな日本の古い名曲解説辞典には、「愛の夢」の代表的な名演にブライロフスキーの演奏があげられていましたね。豪華さはあるものの、途中から華やかにアレンジを加えたのが安っぽく、全体的には崩れ気味の演奏、やや暗めに出てくる冒頭のフレージングも正しくありません。もともと日本の批評家が大衆好みの通俗名曲として、曲に対しての蔑視のイメージがあったのかもしれません。まだ18歳だったパスカル・ロジェがけっこう良い演奏をしていますが、そのレコードのライナーノートで!中川原理が「抒情的でない」とか批判しちゃってます(笑)。ロジェは「愛の夢」をソナタ(リストの)と同じような視点から弾こうと頑張って弾いていただけですが、中河氏はそれを理解できなかったようです。これも通俗名曲としての偏見があるから、穿った見方になるのですよ。コルトーとかの音源があれば、こんな評論家にとっても「基準」を見つけやすかったかもしれません。コルトーの「愛の夢」、ぜひ聴いてみたかったですね。

a0041150_6151335.jpg元来は歌の曲ですから、表現の方法、歌い回しなども決まっていますし、歌詞の問題もあり、フレージングも限定されている曲です。歌詞の内容がまた「愛の夢」というよりは「愛の教訓」のような啓示を与えるような内容です。なので最近カティア・ブニアティシヴィリが、ボレットの進化型!まさに「夢」そのもののように魅惑的な感じでスタートさせますが、解釈としては全く正しくはありません。

楽譜には中間部はアップテンポになるように指示があり、前述のように「夢見る」よりは「燃え上がる」ほうが本来の表現です。クライマックスを抒情的に弾く表現が伝統的にあるのは、晩年のリストがそのように演奏したから?なのかもしれませんが・・・。ともあれ情感、楽譜から読み取れることから考えて、大巨匠のモーリッツ・ローゼンタールの演奏が、この曲の理想的な解釈の基本になるものだと思えます。彼はリストの弟子でもありましたので、血脈的な説得力もあります。

ローゼンタールのものは、生演奏のように気分本位に弾かれている古いスタイルですが、冒頭の雰囲気は現代に通じるものです。録音したころは高齢ですし、不用意な即興性はコンサートならば十分楽しめるものですよ。演奏自体に「華」があるのが良いところです。最初のカデンツァが終わり、出てくるDの音の長さが神ですね~。実は楽譜の指示が秀逸に再現されているのです。そして最初に書きましたが、自分の思っていた以上に中間部が爆走すると、ちょっと後味が悪いというか(笑)心が折れる・・・・彼の演奏にその気分が感じられます(笑)。それで緊張感が薄くなってしまうのですが、それが人間的でとっても共感できちゃうんです(笑)。ローゼンタールはミクリの弟子でもあって、ショパンの軽いタッチの弾きかたなども伝承されるべきもので、もっと多く論じられるべきものです。その演奏から多くを学ぶことができる巨匠ですね。ルービンシュタインもボレットも彼の門下であったりするのです。

a0041150_6241294.jpgちゃんと落ち着いた感じで内容豊かに、そしてつまらなくならずに、理屈っぽくもなく甘美であって、完成度も高い演奏、もちろん熱さも失わず・・・・なかなかそういう名演がない中で、旧ソビエトのピアニスト、レフ・ヴラセンコの「愛の夢」は非常に優れた演奏です。クライバーンに次ぐ2位だった人というぐらいしか、日本では認識されていないピアニストですが、いわゆるソ連体制下の強力なピアノの先生として、コンクールの審査などでも暗躍していました。「裏潜行」などと仇名もされましたね(笑)。もう亡くなられていますし、その録音が話題になることもありません。

そして最近リヒテルのライヴが復刻されてこちらもなかなか良い演奏です。「愛の夢」なんかを弾いていたんですね、リヒテル。1958年のブダペストでの演奏。解釈的にヴラセンコの演奏と近い解釈でしたので、ますますヴラセンコを聴く機会はなくなることでしょうね。

共産主義国家の時代、自由のない世界で、本当は才能も豊かだったヴラセンコは何を思っていたのでしょうね?その心の歌で、実にシブい「愛の夢」を奏でています。
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このレコードの選曲がまたシブい。リスト作品集/巡礼の年第3年より「哀れならずや-ハンガリー風に」(人の世に注ぐ涙あり)、幻影から第1曲、愛の夢第3番、巡礼の年第2年「イタリア」より「婚礼」、巡礼の年第1年「スイス」より「オーベルマンの谷」。録音するほうもするほうだが、よくぞ買ったり、オタク魂!
by masa-hilton | 2015-03-20 07:22 | 音楽・雑記

ロゼ・ピアノコンクール予選

コンサートの翌日、早朝からコンクールの審査となりました。ロゼコンクールはもう15年もかかわっていますね。長く続いているのは質が良いからでしょう。

今年は、事故を起こす人が多かった。暗譜?ただのつまづき?いずれにしても止まるなどする人が多くて珍しかった。仮に止まったとしても、その人の持つ本来の実力や能力というのとは別なものです。まして一次予選とは「上手に弾いたか?」より、審査員が「次を聴きたいかどうか?」を審査する場なので、本来の実力を重視すべきだと思います。ただ、あまりに派手に止まったりすると、審査員の中にはそれを大きく減点する人もいますので、番狂わせで、本来通るべき人ではない人が通過してしまうこともあります。今回もハイドンのソナタを上手に弾いた女の子は、絶対通るべきだったと思いますが・・・・残念。

最近はコンクールも数が多く、コンクールを楽しむ風潮もありますが、コンクールが「業界を生きるためのパスポート」の1つのようなものという認識も、まだまだ生きているようです。ならば厳しく考えたほうがいいかも?とか、制度そのものにも改革も必要なのかもしれないけれど、現代のような多様な世の中では「本人が満足して支持者がいる」ならそれで良いわけですから、だんだんには「ユーチューブで発信してみたらいいんじゃないの?」みたいになっていくのでは?というか、もうすでにそんな時代ですよね?

ただしクラシックは「伝統芸術」なので、多様な価値観の中でも、誰かが「伝統」が廃れないように頑張る必要があります。これからは巨匠たちの講習会のほうが重要かもしれませんね。
by masa-hilton | 2015-03-17 22:08 | 音楽・雑記

クリスマス・ラヴ・ソング

クリスマス・シーズンになって来ましたね。昨年、一昨年に比べて少し景気も良いようですから、よりにぎやかに!という感じでしょうか?クリスマス・ソングに関しては昨年のほうが、街にガンガン流れていたような。文句を言っているのではありません。この時期はロマンティックなスタンダードが街に流れる大好きなシーズンです。だから今年ももっといっぱい流れて欲しい。博多の駅前もとてもきれいですね。
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私たちはクリスマス・コンサートが毎年あるわけですが、実は演奏したい良い曲がたくさんあります。やってみたいなあ~と思っても、肝心なお客さまがあまりご存じでないものだと、しらけてしまう。だから結局、定番のものしか出来ない・・・・という悩みがあります。

そんな中、私が好きなのは「クリスマス・ラヴ・ソング」。ジョニー・マンデルの曲です。私のお友達が歌っているある歌が、歌詞が男性目線で評判が悪いということがありましたが、この曲も男性目線だとちょっと独りよがり?になってしまうかも・・・・ですね。女性はやはりプレゼントも欲しいでしょうし(笑)。でも男はこの感じ、好きですよ、こういう感じが。

「私のクリスマスはあなたがいるだけでいい。あなたが私の夢や宝物のすべてだから。そのあなたが木の下で待っていてくれて、ただただキスをしたり甘い時を過ごす時、これぞクリスマスだと思う。クリスマスらしいものは何もなくても、あなたも感じてくれているだろう。今、クリスマスがやってきたと。」・・・おおよそこんな内容。詩はアラン&マリリン・バーグマン夫妻によるものです。

非常に難しい歌で、まずはまともに歌える人があまりいない(笑)。音域も広いですしね。「下手は歌えないぞ!」と曲そのものが語っています(笑)。そういうところも私は好きです。やはりバーバラ・ストライザンドでしょうね。ホントにすばらしい!ドラマティックさもあるし、ロマンティックな情感が止まることがないですね。私がこの曲を最初に知ったのは、マンハッタン・トランスファーのものでした。もともと彼らのアルバムのために作られたのかもですね。これはマンデル自身のアレンジで、コーラスだと音域の問題は見事に解決されてスムース。私が大好きなのは、この曲の中で描かれている「ささやかでいながら満たされた幸せ感」が見事なトニー・ベネット。ただ単にロマンティックじゃなく、行間を読んだ人生を感じさせる表現が実に素敵です。

a0041150_4183681.jpg動画はないですが、ブロッサム・ディアリーの温かさに満ちた歌も忘れられないですね。これはグッと心に来る歌です。またこのCDには「初めてのクリスマス」という曲が入っています。ピアニストのマイク・レンツィが作っただけあって、非常に器楽的で難しくお洒落。この曲も私の好み(笑)で、あまり歌われない名曲です。ブロッサム・ディアリーは作曲者の編曲を得ながら、予想外のホッコリするような世界を繰り広げて、心の底から優しくなれるような素敵な気分をプレゼントしてくれます。幸せですよ~。

全盛期メチャウマな歌手だったモーリン・マクガバンの歌でも聴けます。こちらも素敵にお洒落!私はこの曲は、フルートによるクリスマス・メドレーに入れて作りまして、これが大好評!今も続けて演奏しています。
by masa-hilton | 2014-12-03 04:45 | 音楽・雑記