<   2007年 02月 ( 17 )   > この月の画像一覧

たん、たん、たぬきの・・・・

アイリッシュ・タイナンさんは小柄で、とても可愛い人だった。ちょうど古きよき時代のアメリカのホームドラマに出てくるような感じな人。ライザ・ミネリが小ぶりになったような感じもあり、華やかで表情豊かで、全てがフレンドリー。リハーサル当日の朝、12時間かけて来日。体調を考えてほとんど綿密に合わせることなく本番へ。神様が手伝ってくれたかのように、ルバートもピッタリ合った~!めでたしめでたし。

a0041150_0531117.gifさて今回のレパートリーで、コープランドの「アメリカ民謡の採曲集」があったが、その中の「川のほとりで」が、日本ではビッグカメラの歌と言うか(笑)、「たん、たん、たぬきの・・・」というアレだった。楽屋でもその話で盛り上がり、ある人は「たん、たん、たぬきの金時計~」という歌詞だと主張した。または「腹太鼓」だという説も出たが、その人たちはそのあとの歌詞は知らない。「・・・それを見ていた・・・」という歌詞を思い出した人もいたが、それもおぼろげ。くだらないことは思い出せないものである。

a0041150_0531117.gifやはり「たん、たん、たぬきのきん●まは、かぜもないのにブ~ラブラ」が正しいと言うことでやむなく一本化。でもこれに続く歌詞をほとんどの人が知らなかった。このあとは「とうちゃん、いいもの持ってるね~、おまえもあるから、見てごらん」と覚えていたのだが、誰にも納得されずに終わった。おかしいな~。また「そ~れを見ていたブルドック、それにめがけて、噛みついた」というのもあるらしいね(笑)。くわしくはここにある。

そして帰りの電車の中吊り広告に、銀座か浅草のどちらの「松屋デパート」かわからないが、ブランド品のバーゲンの宣伝があった。値段は書いてなかったが、ブルガリの時計とかが安くなっているらしい。この中には有名ブランドのハンドバッグもある。何とこのチラシには、「高級爬虫類バッグ」と書いてあったので思わず笑った。「高級爬虫類」というのも「爬虫類バッグ」というのも、何ともおかしい。もちろん高級はバッグにかかる形容詞だし、確かに「ワニ」や「蛇」で出来ているんだけれどね。「爬虫類製品です」と改まって言われるのもちょっとひく~。どうです?
by masa-hilton | 2007-02-26 01:00 | 日々の出来事

ご近所の鰻屋さんめぐり・・・ 「三好」「えんまん亭」「高嶋家」「喜代川」

a0041150_1111729.jpg高級そうな鰻の専門店「三好」。オープンしたてに行きましたが、その後はずっとパス。たまたま「おいしい」と言っていた人がご近所にいらしたので、久々に確かめに行ってみました。お値段は2400円、2800円、3200円とやや高めです。写真は3200円のものです。

とても感じのよい良い店です。常連さんもいてアットホームな感じ。メニューは鰻の他にも高級な刺身や手の込んだサラダ、お洒落な肴が並んでいます。大将は忙しく、また誠実な対応をしていて、仕事も綺麗だしお人柄もよさそう。でもここは専門的な鰻屋ではない、飲み屋なのだと思いました。来ている人も騒いでいて、飲み屋に来ている気分の人たち。鰻をじっくり食べている人はいないし、常連組も肝焼きと刺身でご飯で食べ(笑)別のつまみで飲んでいます。普通の鰻屋は店内の全員が鰻重を食べているものですが(笑)。また厨房は大将1人なので、細かい料理に追われてしまっているから、鰻は焼きが始まっても様子を見続けるのが不可能。

でも仕方がないと思いますよ、忙しいんだし。だから私のようにおいしい鰻重だけを目当てに行くことは、ちょっとキツイかもしれませんが、飲み屋気分で楽しく、そこそこにおいしいものも食べたい人たちには、おすすめの店ですね。そうは言っても飲み屋さんの「鰻」とは質が違いますよ(笑)。でも鰻屋とも言えないようなですね、もう少し安いといいのでしょうが。お味の傾向は「喜久川」の鰻に似ているかな?タレは好みで自分でかけ足せます。

a0041150_1137543.jpga0041150_11365323.jpg飲み屋さんはランチに鰻重を出すところが多いですが、それはマーケットで買ってきておうちで温めて食べるあの「鰻」です。その場で焼いた形跡はないことが多いです。その代わり600~800円ぐらい。飲み屋さんでなくても、鰻の専門店?「えんまん亭」は超破格(値段表注目)ですが、こちらもおうちの鰻に近いジャンルかも(笑)。でも仮におうちで温めて食べても肝吸・ご飯&おしんこが必要だし、この値段なら絶対許せるでしょ(写真はジャンボ)!それを証拠に常連もいらして、お客様も多い感じでした。同じく安い「鮒忠」なら焼いた感じはありますが薄い鰻。もちろん本格的な鰻を食べたい人には、これらではダメでしょう。それでも充分柔らかな鰻だし良心的。色々なスタンスの店があったほうが、こちらも気分で選べて楽しいです。

a0041150_2144377.jpga0041150_21442089.jpgでも私は最高級な鰻も本当は苦手。鰻好きだが味はわからないのかも(笑)。有名な「野田岩」とかもピンと来ない。あちこちにある「登亭」のスタンドで毎日食べたりする方が好き。この辺りでは柳屋ビルの「丸善」のリーズナブルな鰻も好きですが、時々行ってしまう名店「高嶋家」。三越のそばには「いづもや」もあるのですが、こちらはあっさり系なのでパス。そういう「高嶋家」もどちらかといえば高級店の鰻で、ギトギトしていない見た目にも美しい鰻。まさに接待に向く店です。また一般の人からすれば、ちょうどしつこいとあっさりの中間で良いのでは?と思います。迫力には欠けます。私の本音としてはぎりぎり許せる高貴な鰻です。今日は混んでて3階の殿様の個室(写真左)に通されたので、1番高い「菊」にフルーツとコーヒーがつく4500円のものを食べてみました。もちろんおいしい~♪

有名店といえばの小説「化身」に登場する「喜代川」があります。「高嶋家」がきちんとした焼きの店とすれば、こちらはふわっとしている柔らか感がある鰻。私が思うに本来おいしい鰻のイメージとはこんな感じなのではないでしょうか?鰻重は2700円と3200円で、3200円の方も小ぶりな鰻が1.5匹か(左下写真)大ぶりなのが1匹(中下写真)なのか、蓋を開けてみないとわからない(笑)。どっちが得なのかな?統一した方がいいと思うんだけど。味わいも微妙に違います。「喜久川」だと特上でも1.5匹は小さい鰻の寄せ集め感があって、大ぶり1匹のものの方が上質な感じがしたのは、以前書いたとおりです。ここ「喜代川」ではそれぞれ、好き好きだと思うんです。1.5は小さいけれども肉厚だし、脂もよくのっています。味つけはスッキリしていながらも濃い感じもあるので、大ぶり1匹のほうが肉厚でない分、味の強さが目立ちますね。ふわっとヌメヌメが好きな私は1.5匹派かな(笑)。ご飯は柔らかめのときもあるけど、タレがからっとしているのでジメジメはしていません。特筆すべきは肝吸いがうまいこと。肝が半生(な訳はないけど)のようなニュルル感が残っていて、こういう感じはよそにはありません。私は大好きです。ともあれここの鰻は、誰が食べてもまずいと思うことが絶対にないクラスだと思います。やっぱりうまい!裏通りな佇まいもうれしいですね。

a0041150_16331876.jpga0041150_2311867.jpga0041150_16333445.jpg
もともとこの辺りは鰻屋さんが多い地域で、これでもけっこう少なくなってきているんだそうです。最近はサッカーの松木さんのご実家の「近三」にはあまり行っていない。あそこは小伝馬町だし。また「大江戸」も、前に食べた特大の「いかだ重」以来ご無沙汰なんです。あれは凄い!けど6500円と高いからね~。「大江戸」の普通の鰻重を近々ぜひ食べてみたいと思っています。それを食べてからじゃないと何ともいえないけど、今の感じだと横綱は「大江戸」、大関が「喜代川」、関脇が「高嶋家」かな?「梅田」が好きな人もいますね。私にはちょっと薄いです。だから「梅田」では「中入れ丼」なら大好き!ご飯の中に鰻がもう1切れ隠れているヤツです。また「梅田」には「白焼き丼」という白焼きにいくらをまぶした美味しいのがあるので、友人にもファンが多いのです。

a0041150_0502449.jpga0041150_12523811.jpgとにかく私はこってり派なので、最高のお気に入りは人形町の「大和田本店」。「横綱」とかじゃなく「プロレス」?いやもうジャンルを超えたK1のチャンプです(笑)。甘くてワイルドな味わいは、もう癖になっています。家に近いし毎日のように通っています。それがとにかく飽きない!ここが一番好きと言えるのは相当うまいって事だ。以前は上から2番目の「松」ばかり食べていましたが、最近は高い「桜」(写真左)もガツガツ食べて、ちょっとお安い「竹」(写真右)も軽い感じでおいしく戴いて、その日の自分の体調に合わせて楽しんでいます。幸せな気分になれる店!お安いと言っても「竹」は1700円ちょい。量は十分かどうか(笑)ですが、これはお弁当にしてもらうとちょうど良い感じです。鰻の特徴って、写真を見るだけでも何となくわかりますでしょ。え?気のせい?
by masa-hilton | 2007-02-23 10:39 | 趣味&グルメ

お邪魔いたしました・・・・

a0041150_23552583.jpga0041150_23561958.jpga0041150_23554356.jpg
お気に入りの中華「佳華」が料理人が変わってしまい行けなくなって「香港美食園」で食べたりするわけだが、ここも定食だとやや粗雑な感あり。一品として注文した時のとは差がある。でも最近はなかなかの盛況ぶりなのでよかったと思う。例のヤキソバは美味しいしね。先日も混んでいたので2階に通された。ここは細長い8階建てのビルで上は賃貸住宅ということ。下から見ると罰ゲームになりそうなほど怖い。それでは上から見たら怖いかな?とついでに8階まで上ってみたら、いや~怖い!床は鉄の簡易階段だけだから、ビルの建築現場みたいなものだよ。風が吹いたら飛んで行きそうだね。ここに住めばボクの頭でも冴えそうだ。
by masa-hilton | 2007-02-22 23:32 | 日々の出来事

焼肉の「燈花」に通う

a0041150_1192262.jpg本当に良い店が出来たよね。前住んでいたところでは、週に2・3回は焼肉を食べていたが、ここに越してきてからはさっぱりだった。まずいとかの理由よりも、テーブルが広かったりでなかなか1人でいけない。が、「燈花」のお陰で以前の生活パターンが復活だ。本当にうれしい!

オープンしてすぐに行ったときに比べて、キムチもぐっと美味しくなった。相変わらず肉もサービスもよかったね~。夜にも行ったが、鳥皮の塩味が、ニンニクの利いたフレンチもどきの味付けでうまかったなあ。もともと塩味は嫌いでタン塩とかもあまり食べないのであるが、ここのはうまいよ。冷麺もとても良い!ハーフサイズもあるのも嬉しい。ただ、サラダは塩がききすぎて研究の余地アリかな(笑)。お肉は豚のホルモン等もとてもよかった、合格!つけダレも好きな味。ま、合格というよりも(笑)、この店は「とり鈴」と同じく、万一なくなっちゃったら僕が困るんだよね。深夜行く「とり鈴」は絶好調みたいだから、今度はこの「燈花」にぜひ頑張って欲しいと思っている。おいしいし。

ランチはもう決まりで、3種の焼肉にホルモンを単品、これが定番だ。食後のゆずと蜂蜜のあたたかな飲み物もとても美味しかった。前回は写真がなかったので、これがその3種の焼肉ランチで1700円なり。他のランチもお肉とご飯は、ちょいお金を足せば大盛にもしてもらえるようだ。
by masa-hilton | 2007-02-20 10:21 | 趣味&グルメ

タイナンさんのリサイタルでのソロ曲

既に告知済みですがソプラノのアイリッシュ・タイナンさんのコンサートが近づいてきました。タイナンさんといえば、2003年のコヴェントガーデンの「魔笛」のDVDで凄いパパゲーナを演じていらっしゃる方です。きっとバーンスタインの歌曲等で、その辺りの凄さが発揮されることでしょう。

中で弾かなければならない私のソロ曲は

ヒナステラ  粋な女の踊り

を予定しています。今回は3時からなんですね!また皆さんとお目にかかれるのを楽しみに。

昨日の仙台は発売から本番が短い期間だったにもかかわらず、800人のホールが9割がたの盛況で驚きました。主催者が「斎藤さんだからですよ~」とお世辞を言ってくださいましたが、主催者側の皆さんが努力してくださった賜物です。厚く御礼申し上げます。とても楽しく盛り上がり、CDも飛ぶように売れていきました(笑)。本当にありがとうございました。

余談ですが朝のタクシーが「東京マラソン」の交通規制のためにつかまらず、あせりました。日本橋はコースですから仕方ないですね。ただけっこう強い雨だったので「こんな中を走るんかい?」と思っていたら、なんと雨ガッパで走っているではありませんか!負けました~~!(笑)
by masa-hilton | 2007-02-19 12:18 | ニュース

「FM愛知」をお聴きの皆様

●2月16日(金)21;30~21;55「高嶋ちさ子のジェントルウィンド」

私のゲスト出演分のオンエアです。ぜひお楽しみになさってくださいね。
by masa-hilton | 2007-02-16 03:36 | コンサート・イヴェント告知

ご近所のイタリアン アル・ポンテ

a0041150_026724.jpga0041150_026253.jpga0041150_0264096.jpg
a0041150_027770.jpga0041150_0272533.jpg静かな佇まい、いかにも一流店らしい物腰の店「アル・ポンテ」は「ホテル吉兆」向かいの有名シェフの有名店だ。家からは至近距離。寿司屋で食べることを思ったらフルコースも一緒、でもメニューが普通のステーキしかでてこないような錯覚がして行かなかった。友人の評価も今ひとつだったし。でもそれは大間違い(笑)!味付けそのものは平凡ではあるけど、充分おいしいと思った。メニューは2つのコースのみ、10000円チョイのメニューはおまかせ、約7500円の方はメインは一品ながらも全て自分でセレクト。そのセレクトも全てのカテゴリーで10品ぐらいの中から選べるのが素晴らしい。

当然楽しいからセレクトのコースを選ぶ。冷菜はオマール海老、温菜はフォアグラのソテーをそれぞれ選んだが正解。フォアグラうま~~い!これだけで満足!幸せいっぱい。パスタ類では鶏レバーとチーズのリゾット、濃厚なのを想像したがチキンライスに近かった。悪い意味ではなくあっさりとした、わかりやすい万人向きの味ということだ。メインは鹿肉のステーキ、赤ワインソースであるがこれは大変おいしかった。また食べたいね。デザートは10種類ぐらいから選び放題で、全部食べても良いらしい。プリン、ティラミス、コンポート、モカロールを選択して大正解。あんまり良い噂を聞かなかったのはパスタ類がちょっと凝っているせいもあり、突出していないせいなのかな?イタリアンというよりはフレンチでも良いくらいなので、その辺りがわからない人にはわからないんだろう。高そうだし何となく敬遠していたが、これからは行きますよ!本当に噂を信じてはいけないな!食べログだとか、人の評価ほどあてにならないものはない。ひどいものだよね。まず、とにかくフォアグラのおいしいところは大好きだし、絶対信用が出来るのだ!!
by masa-hilton | 2007-02-15 16:13 | 趣味&グルメ

新しい焼肉屋さん 「燈花」

オープンしたばかりの焼肉「燈花」はなかなかおいしい。1人でも使えるのがとても嬉しい。前の「気楽」という店は、女将が良い感じだったのでお客がついていたようだが、おいしいとは言えなかった。完全オーナー・チェンジで今度は高級感ある良質の焼肉に。味噌ダレがまたうまいね。ってことは、ホルモンや豚肉関係もうまいということ。

今日は昼。1000円のランチは、ロースかカルビを厨房で焼いたものが出てくるが、1700円のランチは自分で焼ける。1700円ランチは上カルビ、豚カルビ、鶏モモ、ナムル、キムチ、サラダ、のリがついてくる。キムチ好きにはここのキムチはどうなのかな~?と思ったけれど、肉はうまかった。昼でも夜のメニューがOKということで、さらにホルモンを追加して戴き大満足!店長さんの感じもすごく良かったし、手早く出てくるのも嬉しい。お茶はコーン茶!

本店は那須にある「かんや」という店。栃木和牛の希少部位等も楽しめる。開店記念で18日まで夜は3割引になるらしい。お試しあれ。
by masa-hilton | 2007-02-14 04:08 | 趣味&グルメ

武豊でのファミリーコンサート

5月6日武豊町のゆめたろうホールでのファミリーコンサートです。ヴァイオリンの中澤きみ子さんとの共演を通じて、最近懇意にさせていただいているホールです。

ヴァイオリンの中澤さんはウィーン等を拠点に活躍されている第一人者のお1人ですが、とても気さくでやさしくステキな方で、共演させて戴くときは本当にいつも楽しい思いばかりさせてもらっているのです。素晴らしいアーティストって本当にお人柄も素晴らしい。年中文句ばかり言ってひねくれているような人に、名演奏家はいないということでしょうね(笑)。いつもは私が中澤ファミリーの中にお邪魔させて戴いている感じですが、今度は中澤さんがうちのファミリーの中に入ってこられます。これは楽しいことうけあいで、我々もとても楽しみにしているコンサートです。
a0041150_09773.jpg

a0041150_082059.jpg

by masa-hilton | 2007-02-11 00:44 | コンサート・イヴェント告知

ムソルグスキーの展覧会の絵   レナード・ペナリオ

a0041150_2029321.jpgアメリカのピアニスト、レナード・ペナリオ(LEONARD PENNARIO,1924~2008)についてご存知の方は少ないと思う。日本ではこのピアニストはEMIのセラフィムのシリーズの廉価盤によく登場するが、彼の演奏が特別に話題になること自体皆無だといって良い。その廉価盤はチャイコフスキーやラフマニノフの第2協奏曲(2種あるようだ)、グリーグ等の有名協奏曲がほとんどで、ラインスドルフ等との共演盤である。輸入盤の方では協奏曲ではラフマニノフの3番、ショパンの2番、リストの1番、プロコフィエフの3番、バルトークの3番等も入手しやすい。どの演奏も華やかだが手堅い感じで、過不足はないものだが、録音のせいか音色に鋭さや輝きがあまり感じられないこともあって、特徴のない普通で平凡なものとして片付けられてきた。しかし、どの曲も「違和感なく普通に弾ける」ということに、どれだけの底力が必要とされるかを知るべきである。また音楽に流れているヒューマンな温かみも特筆すべきもの。廉価盤扱いということから、日本人は最初から割り引いて聴いてしまっているような感じも受ける。もともとペナリオはラフマニノフを尊敬しているということで、その演奏の共通性も本来は容易に見出せるはずだ。

アメリカでの評価はかなり高いと聞くし、室内楽でもハイフェッツらとの共演盤がある。晩年になって急に日本でホルへ・ボレ(ボレット)が有名になった例もあったが、取り上げられ方や宣伝によっては、わが国でももっと大スター的なピアニストになれたはずで残念だ。ペナリオはハリウッド系のオーケストラや野外コンサートへの出演も多く、アディンセルのワルソーコンチェルトのような作品もうまいし、当然ガーシュインの演奏も得意。ただラプソディー・イン・ブルーはかなり素晴らしい演奏なのだけれども、編集ミス?でカデンツァの部分だけモノラル録音ではめられている。この他にもガーシュインの第2ラプソディやアイガットリズム変奏曲もあり、これらの作品はペナリオの演奏によって初めて知った。

a0041150_16211532.jpg最近このペナリオの若い頃の本格的な演奏を集めたボックスが発売され、彼の今まで知らなかった部分を聴くことが出来て興味深かった。この中の「展覧会の絵」は、今までのペナリオの印象とは違う大きなスケールを持った多彩な演奏で、内容も充実していて優れた印象。またショパンのソナタの2番等も格調が高かった。中には「前のめりな」物もあったりして、感情の起伏も充分感じられて面白い。英雄ポロネーズは従来のペナリオらしいものだが、ワルツ集はやや強引な表現もみられる。デビュー録音のプロコフィエフの「つかの間の幻影」は純度の高い演奏で、このピアニストの質の高さを改めて認識した。シューマンの幻想曲やリストのソナタ、フランクの前奏曲・コラール・フーガやラヴェルのラ・ヴァルス、バルトークのソナタ、さらにはジャズ風な自作の曲も入っていて、大いに楽しめる。

a0041150_20101753.jpg実は私が彼に興味をもつ理由は、クラシックピアノ曲の最初に買ったLPが彼による名曲集だったゆえだ。ハンガリア狂詩曲の第2番、ラ・カンパネラ、愛の夢、月の光、幻想即興曲、英雄ポロネーズ、別れの曲、アンダルーサ、火祭りの踊り・・・ピアノ曲の通俗名曲を最初に聴いたのがペナリオによるもので、これが今聴いてもかなり良いレコードなのである。特に、ここ最近になって注目が高くなったシュトラウス=エヴラー編の「美しき青きドナウ」まではいっていて、これが大変ステキな素晴らしい演奏。そのすりこみのせいかアムランが弾こうが誰が弾こうが、このペナリオの弾く演奏を超える印象は持てないし、私はこの曲を小学校の2年生ぐらいから知っていた(笑)。このレコードを聴くと、子供の頃の色々な思い出が蘇ってくる。当時は楽しいことよりも辛く厳しいことの方が多かったので、ペナリオの温かな音色は大いなる慰めだったし、いつかこのような曲を弾けるようになるのかな?という憧れでもあった。余談だが彼自身の編曲物もいくつか世の中に出ていて、そちらの方から彼の名前を知った人も多いかもしれない。奇をてらわずに、いかにも「華麗なるピアノ」といった風情は、将来的にはもっと認知されるようになるかもしれない。

1986年にはデビュー50周年記念コンサートがあったようだが、もともと12歳でデビューした神童である。ラフマニノフの死後、最初に協奏曲のすべてを録音したピアニストであり、アメリカでは絶大な人気があって、グラミー賞なども受賞している。こうした業績の大きいピアニストが、全く軽く扱われてしまう日本の状況は、いったい誰が正していくのだろうか?
by masa-hilton | 2007-02-10 11:31 | 大ピアニストたち