「ほっ」と。キャンペーン

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あわびの天ぷら

先日「中山」に行って食べたばかりだが、この「あわびの天ぷら」を食べるのを楽しみにしている人がいる。ジャズピアニストの国府弘子さんだ。その国府さんがアルバムデビュー20周年のコンサートを11月9日に東京国際フォーラムで開く。なんとフル・オーケストラをバックにコンチェルトを弾きまくる豪華版。ぜひ行きましょう!これをハッピーに終えて、あわびを食べに来るという話でした(笑)。こちらも楽しみ!
by masa-hilton | 2007-10-29 03:15 | ニュース

台風来る!

昨日は思わぬ台風で、上大岡のコンサートもどうなることかと思っていたが、2回公演ともお客様のお運びも多く、あらためて感謝の気持ちでいっぱいになった。また主催者様からも絶大な賛辞と感謝のお言葉を戴き恐縮した。それも素晴らしい共演者のお二人あればこそ。

チェロのゆうのすけさん曰く「そうは言ってもここまでやる3人はいませんからね(笑)」

それはそうだろうけど(笑)。コンサートははたから見れば仕事かもしれないし、人によっては仕事ではなく自分の生きがいや、人生そのものなのだろう。若いうちは自分の向上心のみでピアノを弾いている場合も多いと思う。われわれにとっては、いらしてくださった方に「何とか喜んで帰っていただきたい」という思いだけかもしれない。時にはその思いが通じないこともあるし、いつも自分をさらけ出して全力で行かなければならないのも少々辛さがあるが、ほとんどの方にはわかっていただくことが出来て幸せ!みんな心が通じ合っている。昨日も素晴らしいお客様やスタッフ、お弟子さんたちに囲まれて、3人とも幸せな気分で帰ることが出来た。ありがとうございました。
by masa-hilton | 2007-10-28 18:36 | 日々の出来事

ご近所は

a0041150_1464949.jpga0041150_1471391.jpg猫が多い。それも野良猫か飼い猫の区別もつかない。それぞれが好みの各お店の前で、決まったように餌をもらって闊歩している。

これだけ数がいると識別はできないが、性格が千差万別なのはわかる。夜中の3時ごろ歩いていると、彼らの夜の集会に出くわすこともあるが、にぎやかではなく風情があるのも面白い。

またお買い物についてきている飼い犬のワンちゃんたちも、自転車の横で待つのも妙に慣れていて落ち着いたものだ。

人間社会の共同生活者としての彼らを、かわいそうだという意見もあるだろうが、何とも愛らしく、心を和ませてくれる。
by masa-hilton | 2007-10-26 17:05 | 日々の出来事

ちょっと

気分も変えたくて、またバッテリーが1日もたなくなったので、ケータイを変えた。機種変更も近々お高くなるようだし(笑)。ポイントが貯まっているのと、最近のワンセグのような機能が必要ないので、機種変更も0円。それでも「ケータイと電化製品は新しいものがいい」というのは本当のことで、やはり使いやすいし、使いこなすまでは気も紛れる。今回初めてパナソニック(W52P)にしてみたが、写真もきれいに写るようだ。

それにしても本当にずいぶん値段が上がるんだね~。びっくり。ちょうど変えて良かったかも。
by masa-hilton | 2007-10-25 00:45 | 日々の出来事

水道橋の焼肉「京城」に行く

焼肉店としてはかなりの有名店である水道橋の「京城」は、本店の北千住とともにテレビでも良く取り上げられているし、布施明さんが絶賛していたりもする。そんな有名ぶりに違わないおいしさ!以前もこのブログでも書いたが、マネージャーの塩崎さんがここが得意なので、よく行くことになる。先だっての30周年のコンサートのお祝いをかねて、またあさっては銀座の十字屋ホールで、奥様のシャンソン歌手である高田康子さんがコンサートをなさるので、そのエネルギーのために(笑)、宴会パーティだ。水道橋も日曜日はずいぶん静かな町になるもんだね~。

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a0041150_3301370.jpgまずは最高級の近江牛や松阪牛によるロースは、まず「生」でお刺身のように戴くのだ。これがうまい!!焼く場合にも5秒以上は焼かないでくださいという貼り紙が店内のあちこちに!ボルドーのワインともよく合う。今日は「ささみロース」も「ハラミ」も味わいがあって特にうまかった!やたらに注文したようだけど、あっという間になくなってしまった。そしてこの刺身のようにして食べるのと、サラダが合うんだよ~。ここのサラダは味がとてもいいんだよね。ドレッシングが何とも言えずおいしい。以前もレポートした通りに、大きな大ドンブリみたいなのにいっぱいくる。これをシェアしないで1人1つずつ食べるのがならわしだ。

肉を食べるとなると、とにかく写真を撮って三舩優子さんに送るのもならわしだ。この写真を送ったらすぐ返事が返ってきて、あちらは横浜中華街でゴキゲンにやってるということだった(笑)。演奏家の基本は食べることだね~!がははは。

本当に上質の肉、タレも含めてそういうものはおいしいのだけど、ここはキムチや冷麺が私の好みからすると今ひとつ。いつも仕上げに何を食べようか迷うのだが、今日も散々迷った挙句、カルビをもう1皿。かなりお腹いっぱいになった。

康子さんのコンサートには、今日のお礼に「宇田川」のカツサンドを差し入れることにした。
by masa-hilton | 2007-10-22 03:59 | 趣味&グルメ

懐かしの「アルハンブラ」に行く

a0041150_4371784.jpgずいぶん昔のことだ。東京文化会館の本番が終わると、なんか適当に食べられる店がなくて、当時「黒船亭」と同じビルにあった「バル」という店によく行った。ここがおいしい。特にパスタが個性的でお気に入りだった。残念ながらその後閉店になってしまって、ここの本店が西日暮里にあるスペイン料理の「アルハンブラ」と伺って、では!とそちらに行くようになった。

なんと500円のチャージでフラメンコのショーを見られたり、お料理もそれほど高くもなかったので、若かりし頃はデートに使ったり、仕事の打ち合わせに使ったりと重宝した。特にフラメンコはレベルが高く、その道では結構有名らしいとのこと。外国人の歌い手が来ることもある。そんな時は大迫力だ。

その後、私が動坂下に住むようになったので、なんと歩いていける距離の気軽なお店になってしまい(笑)、ランチに通ったり、お弟子さんや共演者の皆さんとの食事、また番組の打ち合わせにもよく使った。当時はスペアリブやガーリックを使った料理がとてもおいしく、友人には私と行った事がある人も多いだろう。そんな馴染みの店だ。で、先日、動坂下に出かけて懐かしい「動坂食堂」にも行ったので、「アルハンブラ」もぜひにと早速行ってきたというわけだ(笑)。何年ぶりになるだろう?どっち道ならフラメンコのショーも見ながら食べることにした。

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まずは「イベリコ豚のハム」。これは新メニューだけど絶品においしかったなあ。この量で考えると1600円は高いような(笑)。だからうまくて当たり前と言えば当たり前だけど、甘めの自家製サングリアともよく合っていた。次は「海老のガーリックオイル焼き」はおいしい定番のメニュー!オイルはパンと一緒に食べると最高。「スペイン風オムレツ」も昔からあるメニュー。昔はもっと小さくてフライパンみたいな銀の皿に乗って来た覚えがあるし、特製のソースもかかっていたような気もする。中にはポテトや海老がいっぱい入っていて、結構ボリュームがある。「マッシュルームのガーリック炒め」はやや味が薄いけれども、マッシュルーム自体に味があって「シーフードのスパゲッティ」との相性が良い。このパスタも具沢山だ。そして昔懐かしい「スペアリブ(下右写真:これはお肉です)」は懐かしい味はそのままだったけど、昔よりずいぶん小さかった(笑)。

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場所が西日暮里ということで、客層は銀座のようにはいかない。特に酒とタバコを食らった生意気そうなお嬢さんたちには、あまり好感が持てなかったよ。フラメンコ通のお客さんたちも何人かいらして、盛んに手拍子でリズムをとられたり、大きな声をかけたりして盛り上がっていた。
by masa-hilton | 2007-10-21 04:58 | 趣味&グルメ

休日は怒涛の鑑賞 その11

皆さんもご経験おありかと思うが、好みの物事について、とにかく人の意見を鵜呑みにして良かった試しはない(笑)。評論家だろうが専門家だろうがアマチュアだろうが、あまり熱心に勧められるとついつい買ってしまうことも多いのでは(笑)?一応私は専門家だからそこまで推薦させるものは何か?という興味と勉強心もあるので、あまり損した気分にはならないけど、これがただの趣味ならそうも言ってられない。といって、好きな演奏家だから好きなタイプの演奏をいつもしてくれるとは限らないから、自分の勘だけで買っても当たり外れの山となる。同じといえば同じだが、やはり自分で選んで買いたいものだ。だからここも適当に読み流していただけるほうがありがたい。

何でそんなことを言うかというと、今回はグリーンドア出版という復刻盤を多く出しているレーベルから色々買ったのだが不発!フェイバリット・シリーズといって、コレクターが自分の愛聴していた秘蔵SPレコードを復刻させたものだ。「秘蔵盤は各個人のものでそれが名盤とは限らない。別の人にとっては興味のないものかもしれないが、自分にとっては・・・・」みたいなことがちゃんと書いてあって(笑)、まさにおっしゃる通り。

a0041150_21263788.jpga0041150_21265499.jpg往年のフランスのヴァイオリニスト、ドゥビィ・エルリの「ラロのスペイン交響曲」はいたって平凡。もちろん悪くはないが完璧なテクニックとか情熱的とか個性的とかいった謳い文句は全てくすんで見える。オーケストラも冴えない。かつてティボーが自由奔放に弾いたライヴがお気に入りだったが、なかなか粋な演奏に出会えない。

デニス・ソリアーノと大ピアニストのマグダ・タリアファロとの共演の「フォーレのソナタ1番」は大きく期待したが、ソリアーノのヴァイオリンの音色感が曲に不つりあい。タリアファロはいつもの彼女らしい大胆で大らかな弾きっぷりを見せるが、フォーレでは今ひとつ物足りない。がっくり。ただこのCDではアーンのロマンスという曲がとても良かった。このCDのブックレットもひどいもので演奏家のフルネームも書いてないのだが、ここでピアノ伴奏をしているE・ロワソーは素晴らしくうまい。音楽を揺らぎでとらえて、縦の線ではむしろずらすように弾いているのだが、吸い付くような呼吸で見事な名人芸的なアンサンブル。こういうピアノが来ると俄然ヴァイオリンも光って聴こえる。

a0041150_2224380.jpgピアノのCDではラヴェルが「わが完全無欠の演奏家」と評した愛弟子のピアニスト、アンリエット・フォールのラヴェル集。フォーレのような名前にもちょっと魅力を感じ買ってしまったが、全くの2級品で驚いた。ラヴェルが描いた音像が現在の我々とはかけ離れているのだろうか?ラヴェルは多くの演奏家に対して絶賛の言葉を贈っているから、あてにはならない。この人の演奏は表面に硬くコーティングしたゴムみたいなものが貼ってあって、曲の内面を聴き手に示すことができない風情がまずい。少なくても私の好みではない。つまり叙情的なものより音の扱いの面白さを強調したような演奏。しゃくりあげたり独特の間合いを持った音色感は、もしかしたらライヴでは色彩的なのかもしれない。長くラヴェルの下で勉強した割には、楽譜と違う音で処理している場所も多いし。録音データーも何もないCDなので、何歳のときの録音かもわからないし、種々の判断は難しい。いずれにしてもイヴォンヌ・ルフェビュールの名人芸やアンティークなマドレーヌ・ドゥ・ヴァルマレットとは比べられないだろう。

a0041150_223437.jpga0041150_2232134.jpg次にエリー・ロバート・シュミッツの弾くドビュッシー。これは理屈っぽいイメージの演奏で辛気くさい感じだ。この人はドビュッシーと深い親交があり、ゆえに作曲者が求めた本来の形を知っているとされた。教育者として有名で本も多数、また現代音楽の支援者としても活躍した。さすがにディエメの弟子なので弾けることは弾けるが、洒落た味わいや活きたフレージングに事欠く。ドビュッシー自身が遺した自動ピアノの演奏に似ているとあったが、これは確かに似ていたが(笑)。解釈を勉強する資料にはなるのだろうか。

そしてピアノオタクの間ではちょっとした話題だった夭折のピアニスト、ローザ・タマルキーナの録音。17歳でショパンコンクール第2位、将来を期待されたが26歳で癌が発症、30歳で亡くなった人だ。演奏は若き日のルービンシュタインがキレが良くなったような感じだ。健康的で技巧的にも優れ安定しているが、音楽的な成熟度は感じられない。強い個性も芽吹いていない状態で、とにかく自分をぶつけるようにして弾いているものばかり。この若さでは当たり前である。素晴らしい才能が病魔に冒されなければ、女流のギレリスのようなピアニストになったかもしれない。残念というよりも残酷なものを感じて、もうあまり聴く気がしない。

a0041150_22343692.jpgさてレーベルは変わって、思い切り楽しめて深く勉強になったのは、ハープシコードの大家のワンダ・ランドフスカがピアノで弾いたモーツァルトのソナタ集。かつてランドフスカのピアノで弾くモーツァルトは、ケンプにも通じるロマン的な趣向の強いものというイメージだったが、この晩年のランドフスカが自宅で弾いたものを聴くと、それはロマンではなくモーツァルト時代の人が蘇り、生きた人間の言葉で語るドラマのようなものだとわかる。ここまでテンポが異端で全てが流動的のようであり、時にはオリジナルな楽句を挿入したりしながら、即興のように当たり前に弾かれていくと、作曲者のいた貴族のサロンでその曲がゆったりと奏でられているかのような錯覚に陥る。ここでの演奏は我々が言うモーツァルトらしさは微塵もないし、特別にうまいというわけでもないのだが、芸術の創造される過程を思い起こさせるに足る、重い説得力を持っていてとても有意義に聴ける。しかし当然好き嫌いは激しくあるだろう。

a0041150_22464147.jpgそしてこれも話題になったウラド・ペルルミュテールのモーツァルトのソナタ全集。素晴らしい演奏なのにお蔵になっていて、なかなか手に入れるのが難しいとされていたが、ご存知のように私はこのピアニストが苦手。うまいのはわかるし味も横溢。以前のショパンのワルツだって、曲の出だしはどの曲もアシュケナージより数段にうまい。だがフレージングが小さく、そしてそこで流れも止まっていくので音楽が繋がっていかない。曲の終わりでは振り出しに戻ってしまうタイプだ。このモーツァルトもまた、どの曲も重く同じような色彩で弾かれるのは、音楽が常に流れていかないので喜びの詩になりえないためだ。美しい緩徐楽章がつらい。また難しそうなトリルの前では、一瞬ためらうような間が空くのが、どうしても気になってしまうのだ。うまそうな風情が充分あるのだが、私には相性がやはり悪いようだ(笑)。

a0041150_4593369.jpga0041150_512372.jpg以前予告したが、アルフレッド・コルトーが弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲の第1番を聴く。これは大変素晴らしい演奏だった。味わいの極致。雅趣綿々としたこれぞ音楽という風味は、よそではなかなか味わえない。室内楽でお馴染みのようにコルトーは結構ベートーヴェンは上手だ。晩年のライヴの演奏だからミスタッチはいつものようでも、ショパンやシューマンを弾くよりもずっと巨匠の面持ちがある。スタンダードでエレガントなこれは大満足な演奏だったし、こういうものは真似しようにも真似の出来ない至芸である。カップリングでラヴェルのトリオをまたペルルミュテールが弾いている(笑)。こちらは、あきらかに余裕がない演奏。共演者の技量もアップアップして、今にもおぼれそうな室内楽になっていて気の毒ですらある。4楽章の主題も数えて弾いているような感じだ。トリルの前で間が空くのと同じ芸風で楽しめない。さらにペルルミュテールが弾く「リストの2つの伝説」、こちらは思っていたものよりはずっと頑張っていた。

そして期待が非常に大きかったアルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリの協奏曲集。彼のピアノはガンガンに冴えていた。シューマンは激安ボックスに入っていたライヴと同じ録音。カミソリのような鋭い音色感と叙情性の対比が美しく、若さのある絶好調の名演だ。リストはオーケストラも悪く音も悪く、彼の最善とはいえないものだった。私にはそれはどうでもよいことで(笑)、待ちに待ったのはラフマニノフの第4番の協奏曲のライヴ!!これはあの伝説のスタジオ録音があるのでどうしても聴きたいものだったのだ。音が古いライヴなので軍配はスタジオ録音だが、ミケランジェリは驚くほどの完璧さと冴えたリズム感で見事に弾ききっている。素晴らしいの一語だ。ただ感覚は現代音楽のノリだ。明らかに現代音楽の新作でも弾くようなスタンスで弾き進んでいくのがわかるし、それがとても面白く、曲にも緊張感を与えている。スタジオ録音ではこの演奏の数年後ということもあって、もっとラフマニノフ的なロマン性や叙情性も伺える。この時期かなり何回も本番で弾き込んだのだろう。これはまた新しいライヴが登場してくるかもしれない、楽しみだ。系統は違うが私にはミケランジェリはあこがれの名手である。

a0041150_503917.jpgさて以前幻の大女流ピアニスト、ヨウラ・ギュラーについて、その魅力がよくわからないと書いたら、色々な人と興味深い話をすることが出来た。結論を言うと魅力がわからない組が結構いるということだ。私はこういう風に思う。彼女の演奏の特質は巨大とも言うべきスケールの大きさと、独特の間合いだと思う。その間合いがまさに剣豪の間合いのような深遠な感じがするので、好きな人は好きなのだろうし、そこに他者とは違う凄みのようなものがあると。ゆえに録音では、そんなギュラーの真価は十二分にとらえられないし、舞台ではその美貌とあいまって、よりカリスマ的な魅力が炸裂するのだろうと想像する。ただ録音で聴く限り音楽は流れていっていない。以前聴いたCDのショパンのエチュードも右手の哀感ある流れを、左手の弾き癖のようなアクセントと間が台無しにしているし、バラードの4番も巨大な表現だが、音楽的には流れていかず、やや形骸化されていて、特に冒頭はイマジネーションをかき立たせる甘美さが誰でも必須条件で、それがピアニストにとって難しいことなのに、無視されてしまってはとても曲の中にはいっていく気すら起きないわけだ。だから逆に言うと、ギュラーの録音を聴いてその魅力に憑かれることができる人は凄いと思う。純な魂でしかとらえられない演奏・・・私のような不純物だとどうしても他のことが気になるし、それを超えて強く鷲掴みされるようなパワーも感じられない。今回のCDのショパンの協奏曲もまさにそう。ライブで傷も多いがそんなことはどうでもいい。やはりスケールの大きな歌い回しで存在感は感じるが、音楽が流れず魅惑的なものが足りなく聴こえてくる。感情的にも聴こえるが燃焼していない感じもあり、いささかとりとめない印象だ。小品の舟歌もまた最初の伴奏の2回の繰り返しでドラマはもう終わってしまった印象がある。不器用といえば不器用な演奏。同じこのレーベルのシリーズでマルセル・メイエの演奏も聴けるが、メイエのものはイマジネーションや音色の選び方でずっと大人の演奏で、普通はこういう演奏を素晴らしいというのではないだろうか。この後ギュラーのベートーヴェンのソナタを購入することにしているので、またもう1度分析してみたい。いずれにしても私は、もっとわかりやすく、その天才や才能が直接的に響いてくる人のほうが好きだ。

a0041150_05186.jpgそういう意味ではこの演奏こそ天才のものだと言い切れる。ずっと欲しかった1枚をやっと手に入れた。マリラ・ジョナスである。ある時サンプル音源で彼女の弾くショパンのマズルカを聴いて雷に打たれたように感動した。こんな素晴らしい演奏、ホロヴィッツも一歩譲るような色彩感のある演奏が、知らない名前のピアニストによってなされている。と、名前を見ているうちに気がついた!昔読んだルービンシュタインの伝記で、ルービンシュタインが南米に行ったときに、もうピアノに触れようともしない落ち込んだ人を励まし復帰させるエピソードがあって、多分その人ではないか?と。当たりだった。正しくはこうである。ポーランド人であった彼女は、ナチへの協力を迫られ拒否したために投獄される。何とか釈放された後クラコフからベルリンまで歩いて脱出。たまたまその悲惨な様子に同情したブラジル大使館に救われ、ブラジルに逃れたとのこと。投獄中には拷問やレイプ等もあったのだろうし、歩いてベルリンまでたどり着く間にどれほどのことがあったか、想像を絶する。あまりのことにピアノも弾けなくなっていたが、ルービンシュタインの励ましを受けてカムバック、1946年にはニューヨークデビューも果たすが、戦時下で体を悪くしていて1959年に48歳で亡くなっている。まさに「戦場のピアニスト」の女性版だがこちらは天才でレベルが違う。この録音は1946年前後のもの。もちろん全部が全部良いというわけではないが、とにかく個性的だ。ショパンのマズルカはどれも素晴らしい。そして技巧を凝らして作為的だと悪く言う人もいるかもしれないが、それほどに色彩感があり、目を見張るほどにうまさが誰にでもわかる。そして私の心を射抜いた理由がもう1つ、この人はわが師ステファンスカと同じトゥルチンスキー門下だということ。なんか個性的な歌の中に懐かしいものを感じたし、共感する共通項みたいなものを感じていたのだ。壮絶な体験を経た人間にしか出来ない境地等と、軽く言葉にするのも申し訳ないが、幻のピアニストとはまさに彼女のことだ。1度は聴いてみる価値があるのでは?

a0041150_0514441.jpg技巧を凝らすというのは私には悪いイメージではない。つまり自分の個性的な音楽や歌い回しを再現するために、色々なことをすることだから、もともと音楽的な感性豊かな人でないと出来ない技なのである。最近はむしろ技巧を凝らす人は減ってきている。細かい音がどれも完全に聴こえるようなことではない。アムランが出てきてからは技巧に対する観念が変わってきてしまったようだ。そのアムランが得意なアルベニスは、もともとはコルトーのような粋で派手なピアニストが、楽しく素敵に聴かせるレパートリーだったのでは?うちでもアルベニスのイベリアをレッスンに持ってくる子は、技術の聖書でも弾くような神妙な面持ちで来るが、最初の1ページを聴いただけでつまらなすぎて吐き気がするよ(笑)。そんな私にはもってこいの素敵な演奏に出会えた。ネルソン・フレイレがカナダで1984年にやったライヴ。これは楽しい。最初のモーツァルトのソナタも現代的だが詩的で華やかでライヴそのもの。シューマンの幻想曲、第1楽章の演奏のテンションの高さも曲に相応しくゴキゲンだ。第2楽章の冒頭がちょっと抑えていて面白い。スクリャービンの第4番のソナタも、最近よくコンクールで聴かされる機械仕掛けの目覚し時計みたいな演奏ではない、ちょっと肉欲的な華やかさをもった本来の形。フレイレはアルゲリッチのボーイフレンドとして知った方も多いかもしれないが、私は彼がケンぺの指揮でグリーグの協奏曲でデビューしてきた頃からのファン。クールな部分もあるが、フラッシュのような光の炸裂を感じさせるピアニストだった。円熟度を加え若さも残し、ノリノリで弾いているこのライヴはお奨めだ。ヴィラロボスはお国物だから昔からうまかったけど、この楽天的なアルベニスのイベリアの2曲がとてもいい!今どき結構新鮮に聴こえるかもしれないね。フレイレはやはり素晴らしいピアニストだ。
by masa-hilton | 2007-10-19 01:09 | 休日は怒涛の鑑賞

人形町の人形市

a0041150_5423792.jpg昨年に続き、今年も人形市の季節だ。今年で2回目。昨年は正直なところ貧弱なイヴェントで、見るべきところは何もなかった。昨年が今ひとつだったことは、このブログにも書いている。へ?この時にヘレンドの亀さん買ったんだっけ。なんか時のたつのって早すぎるなあ(笑)。

今年は人の出足は好調のようだ。商店街のほうでは、本当においしい店がどこだかわからず有名店に行列が増え、つまらない1000円均一のディスカウントショップに人が集っている。下調べしてくれば、人形町はもっと楽しい街なのに残念なことだ。

肝心の人形は気に入ったものは何もなかった。手作りの素人っぽい人形はイヤだし、ちょっと可愛いものがあっても、きっとわが家に来れば見劣りのする品ばかりだ。その上にバカ高い。アンティーク物もみんな顔が一緒だったりでは、なんか意味がないし(笑)。もっと個性的な店が出店してくれないものかなあ。それでも昨年よりはずっと良い感じなのだからいいではないの。何事も地道が一番!一歩ずつ!亀田親子みたいに祀り上げられて、ドーンと落とされるみたいなのは、ちょっとね・・・マスコミって怖いよ。態度が悪いって言っても、最初からああいう人たちだったわけだし(笑)、今さらでしょ。怖い怖い。

さてさて、気晴らしにはなった「人形市」。土・日でないのも面白い。また来年に期待しよう!
by masa-hilton | 2007-10-18 05:48 | 日々の出来事

人と会うのが日常

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毎日毎日演奏会だった今月はじめとは違って、毎日毎日人と会うのが日常。楽しい素敵な人と会えるのは何とも嬉しいことだ。

今日はおもてなしに初めて昼間の「たぬき鮨」に行く。昼間はランチのにぎりやちらしが1000円程度でもあるが、夜と同じような食事も出来る。客の半分以上が私同様常連で、普通に注文して食べているから、ランチを食べている人は肩身が狭そうな印象も受ける。今日のお奨めはいつものシマ海老。にぎると普通の甘海老のようだけど、冷蔵ケースでは確かに縞々の海老だね(笑)。とてもおいしい。そしていつものトロ、しおっこ(小さいかんぱちのこと)、天然のシマアジ。天然のシマアジはわりと貴重で、たぬき鮨の看板でもある。メチャクチャうまい。

a0041150_383434.jpgまた「ししゃも」を焼いてもらった。「ししゃも」は普通に食べている「ししゃも」は実はそっくりさんで、ロシアの何とか(笑)という魚だということを、皆さんはご存知だろうか?本物のししゃもは今この時期にしか解禁されず、「いつものししゃも」に比べてずっと小ぶりで、品の良い味わい!身の味が全く違う。世の中、偽装牛肉で豚肉を使ったりすることで大騒ぎして、逮捕までされているが、魚のほうは(特に回転寿司等)全部そっくりさん大会と言っても良いような現状だ。これはなぜ許されているのだろうか?まったく理解できない。それにしても本物はおいしい。ぜひこの時期お試しあれ!

デザートは有名な「三原堂本店」の上の喫茶店でショートケーキ。お洒落な喫茶店かなと以前から気になっていたが、はいってみたら、きわめて普通な素人っぽい店(笑)。ケーキも普通。でも普通のショートケーキって好きかも。子供の頃は良く「クローバー」のショートケーキを食べていて、大好物だった。最近デパートでは長い名前のお洒落な店ばかりで、ケーキも凝っている割には意味不明のものも多い。シンプルな味が懐かしくもある。そういえば三原堂自体も私はあまり使わない。和菓子洋菓子のどちらもあり、入り口でどら焼きを焼いていてうまそうなのだが、私はもっと香ばしい感じなのが好き。やはり浅草の「西むら」の絶妙な味わいに惹かれてしまう。西むらマジうまい!浅草に行かれたらぜひお試しくだされ!と言いつつ、三原堂のもののほうが万人向きかもしれないとも思ったり(笑)。人の好みまで心配している場合じゃないけどね。

a0041150_2363915.jpgさて夜は打ち合わせで銀座。本当は銀座の隠れ家、このブログでもお馴染みのフランス料理の「レ・シャンソン」でこってりフレンチを味わう予定だったが、なんと貸切!あ~事前に電話しておけば良かったよ。参ったな。仕方がないから、蕎麦の名店「田中屋」に皆さんをお連れした。「田中屋」は蕎麦がおいしいのはもちろん、お料理もうまい。季節のマツタケの土瓶蒸しやマツタケの天ぷら、合鴨のみそ焼き等とっておきの味を満喫。さりげないお新香の盛り合わせもとてもおいしかった。3人で2万円は、蕎麦屋としてはお高めだがやむを得ないと思えるレベルだ。

蕎麦屋でお話が進むのも、まさに江戸っ子らしくて良いね(笑)。「田中屋」のつゆは江戸前の濃口でも食べやすく、大体みんなおいしいと言ってくれる。打ち合わせも進み楽しい夜だった。
by masa-hilton | 2007-10-17 03:20 | 日々の出来事

銀座の名店 ル・マノワール・ダスティンに行く

銀座のフレンチの名店「ル・マノワール・ダスティン」はかの有名な五十嵐シェフの店。内臓料理が得意ということで、私向きなのでは?ということで、特に誘われてランチにお出かけした。私向きか?ということに対しては、やや薄め。最近は、こと有名店ほどこの傾向は強い。多くのお客さんを相手にする以上、平均点を目指すのは仕方がないことだ。もっとぐっと来るパンチのある店は、当然好き嫌いは分かれるだろうが、私はそこまで個性的なほうが好みである。

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a0041150_4452474.jpgアミューズはブータンノワール、豚の血のソーセージをリンゴジャムと戴くものだが、どうやらこれは定番らしいね。臭みもなくすっきりとした味わいはさすがの腕前。でも見た目ぐらいにエグイ味でもおもしろいのにな(笑)と思いながら戴いた。オードブルは2品。本来はスペシャリテでもある「人参のムースとコンソメジュレのウニ添え」がお奨めらしいのだけど、こちらは大の鶉好きなのでついつい「鶉のパイ包み」を戴くが、これは普通だ、薄かったな。鶉の味わいが表に出てきた癖のある感じを期待していたからで、こちらが悪いのかもしれないが、湯掻いた鳥の肉団子みたいなのが入っていたのは意外だった。もう1品はフォアグラのローストに季節を感じさせる柿。こちらはやや甘め、フォアグラのトロけそうな柔らかさが強調されている。フォアグラ好きなので、もっとロースト感が強くても私は許容範囲だけど、これはシニアな女性達に喜ばれそうな絶妙な焼き加減だ。メインはほろほろ鳥のソテーのようなものだと聞いて、差し替えをお願いした。多分このままだと結構無難な物が出てくる予感がしたからだ。内臓料理の、イタリアでいうトリッパ、こちらをガーリック等で味付けしたものを注文。これも想像とはやや違う感じで、あっさりとしていた。そこにタイミングよくチーズを色々ワゴンで奨められた。別料金だが、このあっさり感を補うのにはちょうどピッタリ。全体のバランスを見通しているのだろう。デザートはワゴンでプリンとモンブラン。プリンの苦さ、モンブランのパサパサ感が好みとは違っていたので、洋梨のコンポートにすればよかったかな~(笑)と後悔、おいしそうだったからね。
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全体的には女性向けの味の店だと思う。品が良く小技が効いた料理は、独特な温かみがある。私には自分の好みの味付けもオファーが出来る「ル・ブション」のほうが、わがままがきくだけ楽しいかもしれない。ともあれこの日は五十嵐シェフがお見送りをして下さったのでゴキゲン。
by masa-hilton | 2007-10-16 05:08 | 趣味&グルメ