こうしてブログを維持していくのは大変なことである。私はあまり物事に興味を持たないから。また世の中をぼやいたり人を非難したりする気は起きないし、そういうものを見るのは虚しい。他人様のことよりも非力な自分のことの処理に忙しく手一杯。自分の持てる全エネルギーを投入しても、思ったような成果はなかなか上がらないもの。努力をしたからこそ、こうして何とか続けていられるわけで、これが途切れればすべてが止まる恐怖感、これは誰もが持っていることだ。演奏家は自分に対しては「うるさがた」だと思うが、実は世間に対しては大人しいものだ(笑)。
ところがこのブログというやつ、これは日記の公開だからやっかいだ。本来私としてはありえない行為。日記を書くことも、ましてや公開だなんて。だが、世の中がこういうスタイルが本流になったからそれに従っている。こうして今も書いているのが不思議。いつのまにか自分の好みの範疇とはいえ、好みによる価値判断もにじみ出てくる。それはすべての人のブログに通じることで、そこが興味深いところであるが、同時に鼻につく部分でもある。言ってみればそれぞれの「お互いさま」で維持されているわけだ。 何よりも活字になると何事ももっともらしく見えてくる。ただの感想も評論になったりする。強いことを書けば傲慢と恐れられ、たまには衝突をすることもあるだろう。謙虚にしているとわかったような顔で意見する人がやってくる。もっともらしいことを言う人ほど大した人間でないのは世の常。時間の無駄だ。恥ずかしいほどの知識レベルでの苦言に、付き合わされることもあるだろう。 ここに求めているとすればありきたりではない発想や斬新な感覚だ。ブログから自分を理解してくださる人が増えるのも事実だが、それを期待して発信するのもどうだろう?功罪共存というところであれば、どちらのウェイトが大きいのかもわからない。私のブログなどは(今回は別として)普段は心の呟きを述べることは少ないので、人畜無害の類では(笑)?と思っているのだが。 私自身は個性的な少数派的な発想を持っているので、閉じこもっていたら「へそまがり」になりやすい。例えば不人気の「小沢一郎」という人を気の毒に思っている(笑)。今時そんなの彼の身内だけだろう(笑)。政治家としての実力や才能は歴然なのに、自分が悪いのだが様々な不祥事のため、その実力と才能を自分を守ることと権力闘争に費やさなくてはならない。残念である。不祥事もなく彼が総理であれば、今の政治の難問もスッキリ解決できたかもしれない。もし他国が攻めてきた場合(笑)。国会議員の大半は国民を置いて我先に逃げるに違いないが、小沢さんは最後まで残って対策を練ってくれるだろうと思う。役に立つかはわからないが亀井さんも一緒に戦ってくれるだろうが(笑)、谷垣さんは逃げずとも弱気で「不平等条約」に判を押しそうだし、鳩山さんは日本にいてもシェルターに入ってしまいそうだし、はりきった新党の人たちも八丈あたりまで後退してからの対策作りで出遅れ、舛添さんや竹中(平)さんとかは有事の翌日にはアメリカからCNNでもっともらしいコメントを発信してそう(笑)。昨日亡きご両親の会を開き手を合わせていた小沢さんだが、これをパフォーマンスと見る人も多い中、私には何となくその胸中の一端が伝わった。「人生の過ち」とそこから派生した「残念さ」、それでも戦わなくてはいけない運命は、彼の立場になれば大変なことだ。私は彼の応援団ではない。が、成り行きは気になっている。私は自分の業種柄、色々な価値観をできるだけ吸収して、多くを自分に取り入れようと努力しなければいけない。最近はTVドラマ「新参者」を鑑賞。見ると本当にうちの自宅周りのロケだった。架空の鯛焼き屋は隣りのマンションだし(笑)。これを見て同級生が私を思い出しメールをくれたのだが「ドラマが面白かった」と書いてあったので驚いた。私の世代でもこうしたドラマが面白いと思う同級生の感性は柔軟だ。こういうちょっとウィットというかジョークがきいた演出は、日本人がやるとなんか陳腐でつまらないという観念がある。昔の海外ドラマは粋でお洒落で・・・・といった感じである。でもアーカイブで昔の海外の作品を見てみると、実は幼稚でくだらない。最近のミュージカルはつまらないと言っても、実は昔の方が安手だし昔のほうが絶対つまらないのである。巨匠の「至芸」や「うまさ」と言っても価値観によって変わる。現代人のほうがすべてに完成度は高いのだから。 同じことが音楽にも言える。最近のピアニストは驚くほどうまい。うまいのだが往年のホロヴィッツやルービンシュタイン、ケンプ、バックハウス、コルトーには遠く及ばないとも言える。それはやはり芸の部分だ。ところが若い世代からは「ミスタッチは多いし音は汚いし、どこが良いのかわからない」と一蹴される。それはどちらも100%正しい判断だ(笑)。ただ弾けないからなのか、もともとのスタイルだからそうなっているのか、時代が完成度を求めていなかったのか、ケジメがつけられるべきである。晩年のコルトーやホロヴィッツはひどい演奏もあるが、大丈夫な時もあるし(笑)、それでもシューベルトなどで求められている魔法のようなニュアンスは、いつもきちんと表現している。最近出没する独断的な解釈を隠れ蓑にした「弾けなくなった偽巨匠」とは差別すべきである。 世の中の価値観の流れには、誰も勝つことは出来ないし、その流れがあるからこそ新しいものが世の中に出られるチャンスもある。現代の演奏スタイルというのも多いに吸収して行かなくてはいけない。我々の世代でもツィメルマンやエル=バシャ等は、新しい価値観を大いに取り入れて若い世代にも負けない完成度で大成している。本当にすばらしいことだ。 ただ私はいろいろ学べば学ぶほど、本来の自分に帰っていくようなタイプかもしれない。気がつくと子供の頃好きだったものをいまだに食べ、見て、子供の頃大好きだったコルトーのような演奏を目指してしまう(笑)。それは人間としては「一番幸せな選択」かもしれない。住む場所も頑固な老舗の人形町でピッタリだ。人生の先が見えてくると、人は「他人様のことなんか気にしていられるか」ということになってくるわけだが、これを無意識に着々と実行していくと、それはお客様あっての演奏家の姿勢とは逆行してしまう。もっともっと好き勝手に生きてみたいと思ったとき、それが世の中のニーズと合致するというのが才能であり運だろう。そのためにもより多くのものを吸収する必要をいつも感じている。 ![]() ![]() 実は偉そうなことは言えず、ほっておくと私は「何もせずにのんびりと寝て暮らしたい」ということになってしまう。怠け者なのにピアニストなぞ選んだことが、最大の誤りだったのかもしれないが(笑)、逆に神様によって与えられた「救い」なのかもしれない。今日もあたふた時間に追われて寝る間もない。おかげで堕落を免れている。ピアノやっている人には今さらだけど、コルトーのプレリュードはやはりいい!これが基本だし、こういうのを聴くと、その憧れの気持ちがエネルギーになる。彼は決して好き勝手をやっているわけではない。個性的だとしても、それは文化の継承者としての任を担っている。演奏家としてはかくありたいものだ。
by masa-hilton
| 2010-04-19 23:33
| 音楽・雑記
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