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こわ~いものを見た!

今年はたくさんのオカルト映画を見た。なんだかんだ30本ぐらい(笑)。ジャンルとしては惨殺物はパスだ。のこぎり持って追っかけてくるようなのは、見ていると可笑しくなってしまう。ゾンビもパス。どちらといえば悪魔もの、または呪殺系のほうが良い。特定の誰かに復讐するようなのは底が浅く、筋がつまらないものが多い。やはり日本の「呪怨」などはよく出来ている。日本のホラーは海外物に随分と影響を与えていて、ストーリーがかぶっているのもかなり確認した。

個人的に笑えたり泣かせられたり、感動させられる映画というのは、必ずしも有名な映画とは限らない。一般にB級と言われる映画だったり、他人が見たらかなりつまらない作品でも、自分の人生の経験や価値観で心の琴線に触れることがある。でも「怖い」とか「痛い」とかいうのは、全人類共通のベーシックな感覚だから、ことオカルト作品に限っては(もちろん例外はあるが)お金がかかっている有名作品のほうが、大概は優れているということがわかった。

日本文化圏にあっては異質な宗教的なもの、神や悪魔またはキリスト教をベースにするものは、ストーリには興味がもてる。やはり文化の背景があるものはどんなものでも説得力を持つもの。映画としてはつまらなかったが「ギャザリング」という作品も、キリストの処刑を傍観した人たちが罰を受け、死ぬこともできずにさまよう話で、そうしたアイデアは日本人には生み出せない。

a0041150_4491974.jpga0041150_4465398.jpgしかし、この夏に一番怖かった映像は、大ピアニストであるマグダ・タリアフェロの弾くDVD。これこそ血が凍った。彼女はコルトー門下、大らかで大胆なフレージングが魅惑的な、ベル・エポックな香りを残す巨匠。その芸風はアーンやフォーレからも愛されたほどである。DVDはもう70歳を超えた映像だったのだが、果敢な演奏スタイルで進められていく。ところが途中で暗譜を忘れて空中分解をする。それも私たちプロから見て一番いやな感じの忘れ方で、これはキツかった。正視できないばかりか、そこまでで視聴をやめるしかなかった。今でも出来ることならその映像のイメージを早く頭の中から消し去りたい(笑)。

これはCDとDVDがカップリングされているものだが、CDのほうは往年のフランス映画を見るような魅力的な演奏も多く、高齢で多少の難はあったにしろ、巨匠とは名ばかりの「ただの弾けないおばさん」では絶対にない。弾けないから解釈をゆがめるような気配すらない人だけにDVDは本当にきつい。私のショックは大きかった。

練習が足りて万全の態勢であっても、逆にコンディションや条件が悪くやばい状況でも、舞台では成功と失敗の確率は常に50%ずつである。それは学生であっても巨匠であっても変わりはない。我々にはどんなお化けよりも、舞台のほうがずっと怖い(笑)。
by masa-hilton | 2010-10-02 05:08 | 音楽・雑記
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