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歌を奏でる

子供のころよく聴いていたのか、NHK「みんなのうた」には懐かしい曲がけっこうある。世の中も同じらしく「みんなのうた」を回顧する番組も最近は多く、何となく見てしまう。やはり昔の曲は自然な流れを持っている。最近の物はどこかわざとらしいというか(笑)、とても苦心して(工夫して)人工的に作られているものが多いようだ。

日本の歌は、その昔はヨーロッパ音楽が入ってきたとき、戦中戦後にジャズ(アメリカ音楽)が入ってきたときに大きく変化した。ジャズ以降はフォークやロックなどの世界の流行に次々影響された、受け売りが継続した歴史である。ニューミュージックと言われた松任谷由美さんの出現は、その受け売りから逃れるような変化はあったが。こうして見ると、昔の歌謡曲と今の曲には隔たりがあるようだが、実は短期間に圧縮されただけだから、飽和状態で良いメロディは簡単には生まれないという仕組みになる。作り手に焦りがあっても十分に頷けることだ。

テクノポップのアレンジでちょっと無機的というか、無垢な少年ぽい歌唱でファンも多いある歌手、当時は新鮮に響いたものだが、この歌手の最近のナマ映像を見ることがあって、もともとライヴではこうなのか?劣化したのか?歳と共に声が枯れてしまったか?・・・・とても普通な歌を披露していた。表面的な面白さと興味が主体な音楽と音楽表現は、少しばかり人間くささを取り戻した時点で、何と貧しく響くことだろうか。結局「歌」に新しさを求めるのは虚しいことに終わる。例えば同じような声で、独特な世界を編み出すにしても、先ごろ亡くなったブロッサム・デイアリーのこんな歌のアプローチはいかがだろう。普通に、ここには感動がある。初期のテクノ時代に比べると、最近の若い日本の女性シンガーの実力は随分上がった。

「歌」から表面的なもろもろを削げば、その新鮮さや世界観も関係なく「普通に感情的なもの」であることを原点とし、歌詞があるのでドラマを広げられたとしても、結果そこには「心満たすもの」か「貧しいもの」のどちらかしか残らないように思える。バーンスタインの言う「良い音楽と悪い音楽しかない」というのは極論だとしても。人の多くは歌を通じて恋に落ちたりする。それはすばらしいことだし、そうあるべきだと思う。そう思えば音楽家は本当に素敵な職業だ。小細工せず率直にロマンティックに・・・・そうありたいものだ。
by masa-hilton | 2011-09-28 03:26 | 音楽・雑記
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