リスペクトして!

特にポピュラー系のCDアルバムには「リスペクト」という言葉が多く使われます。「敬意を表す」ということで、先人を偲ぶ意味もあり、その敬意を表する相手の作風や芸風をわざと取り入れたりもします。そうなれば、ただ尊敬の気持ちだけではなくセンスとかユーモアとか、オリジナルのものを作る以上に神経を遣いますよ。単なるパクリや物まねになってしまってはね(笑)、それではアートではなくなってしまうからです。

ところでNHK大河ドラマ「平清盛」の評判が悪く、視聴率も史上最低だとか。私の知る情報だと、初回にこれを見た地元の政治家が「画面が汚い」とか言ったのがケチのつきはじめ?何でそんなこと言うかな~。私は全ての物事に世評は気にしないので、実は楽しく見ているんですよ。全然悪くないじゃないですか!

これってそういう先入観や偏見が災いしましたね。口コミなど全くあてにならないものなのに、日本人の悪い癖です。私はむしろ画面を「きれいに明るく」変えたのが残念で、そんなことをいったら「龍馬」だって相当に汚らしい描写でしたよね(笑)。気にすることなどなかったと思っています。ドラマの制作としては落ち度はないと思いますよ。とてもよくできている面白いドラマともいえます。

このように私が称賛する「清盛」、これを見ていて唯一気になるとすれば音楽のことです。随所に登場する「カッチーニのアヴェマリア」!!意味がわかりませんよ。この違和感はどうしようもない。気持ち悪い(笑)。そのまま使っている?似てるだけ?いや、ほぼ同じですね。

大河ドラマと言えば、かつての林光先生や湯浅譲二先生などなど、日本を代表する作曲家のオリジナルの筆さばきが芸術性をアップさせていました。それを他用、それも「カッチーニのアヴェマリア」なんて・・・・もちろん平家に関係ないばかりか、これはもともとロシアのポピュラーソングですよ。クラシックの曲でもなんでもない。作曲家ジュリオ・カッチーニ先生とも関わりのないニセモノ!二級品です。歌詞が「アヴェマリア」だけなので歌いやすいらしく(笑)、ソプラノが多く歌うので私もよく弾かされますが~(笑)。あ~!仕事だから仕方ない!心をこめて弾きましょう。でも本音、好きではないし内容が薄っぺらな曲です。

ちょうど今IPS細胞の便乗の怪しい人物が話題ですね。何ですぐばれるようなことを?と言うか、もしこの自称ハーバードの研究者が本当にイカサマだとしたら、「カッチーニのアヴェマリア」もまさにこの部類です。ところで音楽界にも、ウィーンで音大を卒業もしていないのに卒業したとか(笑)、「叩けば埃」の人達が数多くいます。そういう人たちが偉そうな教育者になっていたりしますが、実はそれバレていて誰もが知っているんですよ(笑)。知っていても、みんなが黙っています・・・・問題にするのも面倒くさい、そんな時間があるのなら自分の練習をした方がいい、医療とは違い、人が死んだりするわけじゃなし・・・・他人は関係なし、自己責任のレベルで完結。もともと音楽界はこんな怪しくどうしようもない世界なんです。そう言う私だって、他人様を告発などしません(笑)。

さてさて「清盛」さん、その「カッチーニのアヴェマリア」を聴くたびに、私としてはテンション下がりまくりですが、何より意義が希薄だと思うのです。つまりここには「リスペクト」の気持ちが微塵も感じられないから。曲がこれではリスペクトしようもないし。こうなっては安易さしか伺えない。かつて黒澤作品「影武者」やキューブリックの「2001年宇宙の旅」などなど、映画でも多い手法ではあります。熟考されてのことだとしても、やはりそこには賛否両論があると思うのです。「音楽は便利な道具などではない」と願いたい。

芸術、特にクラシックの演奏家は、過去の演奏家が築いた演奏の歴史と伝統の上にその存在があります。個性的で自由な音楽は大好きですが、必ず原典へのリスペクトがなければ意味を成さない。怪しげな音楽界だとしても、それだけは譲ってはいけない部分です。レッスン等でもいつも考えさせられることが多い問題。強制されるものではなく、自然に生まれる信仰心のようなもの。それも1つの才能なのかもしれませんね。
by masa-hilton | 2012-10-16 22:20 | 音楽・雑記
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