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表参道、ピティナのステップ

ピティナの「ステップ」については聞いたことがあるが、何をやるものかは全く知らず。今回は金子勝子先生からご依頼があったので、アドバイザーをやってきた。とてもきちんとしたイベントだ。スタッフのかたも大変、お疲れ様でした。

内容は・・・・確かにアドバイザーだった(笑)。10分ぐらいの演奏を聴き、ワンポイントの講評を書くということだった。
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例によって私には「しがらみ」がないので、全て本当のこと、それも気になる欠点部分のことだけを書かせて戴いた。厳しい!とか意地悪!とか思われたかもしれないけどね・・・・でも本当のことだから(笑)。それを直せば必ず改善するのだから、実際はとても親切なんですよ(笑)。めげることなく、急ぎ直してみてくださいね!私は上達を心から願う者ですので。

最近のピアノやる人って「ほめられたいために弾いている人」が多かったりする。仲間たちからもよくそういう話を聞くよ。申し訳ないけど、それはうんざりだ。大体そんな「けがれた魂」では一生うまくならないんだよ、これは保証できる。そんなものさ。

さてさて私たちは朝9時半から行って、夜8時ぐらいまで聴いた~~。美味しそうなお弁当も出ますよ(笑)!
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感想は「ワルツ」を「ワルツ」に弾かないとか、「ポロネーズ」を「ポロネーズ」のリズムで弾いていないとか、古典ソナタのルールや、もっと言えばクラシックに大切な「ヨーロッパ音楽の伝統」が身についていない人が多過ぎる。これは私たちの基本だから。これがなければ、どんなに上手に弾いても弾く意味すらないし、聴く価値もない。もっと下手に弾いていいから、ちゃんとルールがないと音楽にならないし、人間としての知性も感じない。ピアノを弾くということは「文化を弾かせて戴く」ことだから、その「文化」の前にひれ伏す謙虚さがなければいけない。「この曲を弾いてやる」とか、ただ「弾きたい」だけの気持ちでは万死に値する。

私たちは演奏家だから、あくまでも楽しく華やかに見せたいし、あまり謙虚なことばかりも言っていられないけれど、実際は畏敬な気持ちが強すぎるほどだ。むしろ困っているほどに(笑)。だから本番前はイヤになるほどナーバスになるし、常に「自分は演奏家に向いてないのではないか」とか「ピアノをやめられたらどんなにいいか」などと(笑)、誰も信じてはくれないけれど、自問自答する日々が続く。この気持ちにも負けられないんだよね~~。ははは、大変だ。

「どこかで弾く前の試しで参加した」・・・それこそがステップの意義だろうと思うし、確かに「人前で弾いておく」のは大切な勉強である。それは良いことだ。だけど!!それを「あたり前」にして登場、いかにも「今日は暗譜の試しです」とか、そんな空気をかもしだす弾く人の演奏は当然いただけない(笑)。実際、演奏も聴くに堪えない感じ、これはあたり前だよね。「人前に出る」ときは、及ばずながらも「命がけ」というのが演奏の基本。「うまい・下手・好き・嫌い」なんて、それはそのあとのことで、ある意味どうでも良いことでもある。評価を得たい一心で「うまい・下手・・・・・」のほうにこだわりがち、自分の都合第一になりがちだが、「大切なものは何か」!これを忘れると「音楽を演奏する資格」すら失ってしまう。

ところで「ワルツ」を「ワルツ」で弾けないとか、伝統のルールがないとか、これは今時の先生たちなら留学経験も演奏経験もあるのだから、確実に教えられ改善できるものだ。にもかかわらず、教えられていない生徒はかわいそうだし、先生が悪いということにもなるわけだけれど、一概に先生を責められない事情もある。今は厳しく教えるとパワハラだとかアカハラだとか言われるし、細かく教えるとピアノをやめてしまう生徒も多いと聞く。生徒を増やして楽しく・・・・などと考えるとまともになんてやってられない(笑)。おまけに「ほめられたい」生徒と親には、適当にコンクールを受けさせて何か賞を・・・・みたいなことになるわけだ。これこそ不毛な循環である。そして非文化的な行為。さらには時間とお金の無駄。もっと芸術には常に純粋な気持ちで向かい合いたい。そしてそれはかなりの「茨の道」であることを知るべきだ。

終わった後は先生方と懇親会。打ち上げはいつも、演奏会場の裏にある「はるの」(キュイジーヌ・ドゥ・ハルノ・表参道 )なんだそうだ。とてもカジュアルで「大人の感じ」の店。さすがに表参道!この場所にマッチしたお店。人形町なら気軽な飲み屋の種類にあっても、ここでは創作料理のお洒落な店になる。「オヤジ風」であっても楽しげなこだわりの少ないスマートな客層(笑)、これもコアな人形町とは対照的。

普段はこの手の店には行かないので、逆に楽しく戴いた。お食事をしながら、リラックスしてお話をするにはとても良い場所。さすが!お料理は見た目も楽しく、まずはショーアップされた「バーニャカウダ」。臭みを抑えているのが好き嫌いの分岐点かな。食べやすいと言えるね。
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ズワイガニとそうめんのゼリー寄せ。和食風?何気に凝っている。続いては「トウモロコシの唐揚」「カモネギ」「トマトとサーモンのミルフィーユ」。ただ重ねただけでも「ミルフィーユ」と言われるとお洒落に思う(笑)、これぞ営業努力だ、エライ!お味は上品に、私は「トウモロコシの唐揚」がサッパリしていて旨かった!夏だから「すっぽんのしんじょう」と「うざく」。こちらもサラッとだ。
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メインの「イベリコ豚と和牛のメンチカツ」もサラッと(笑)。さすがに脂でもたれることがない、とても上品な感じで良かったね。そして夜遅くまで宴会は盛り上がったのだった(笑)。ウラ話、やはり業界にはいろんな事がある。
by masa-hilton | 2013-07-26 13:16 | 音楽・雑記
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