昨日と今日はピティナのコンクールG級一次審査でした。一次審査と言っても、プロコフィエフのソナタ6番の4楽章やラフマニノフのソナタなどの難曲がずらりと並びます。恐るべきレベルの高さ。22歳までがエントリーできます。なので中学生などもいるということですね。紫陽花とともにコンクールシーズン開幕! ![]() まずは率直な感想はそのレベルの高さ、それも真剣に向かい合った全力の演奏は、本当に心を打ちますね。凄まじき日本のピアノのレベルです。もう1つは、彼らはきっとこのままピアニストを目指すのだと思いますが、実際にその土俵に届いたとき、これまでの努力と執念の日々を振り返り、ピアニストとして生きる現実を知って、幸せに思うだろうかということです。音楽家として生きることは本当に大変なので、夢抱いて想像していた姿とはずいぶん異なることが待っていると思うので。 審査員の中には、実際の演奏そのものに対して、点をつけている方もいらっしゃると思いますが、私は違います。審査員は次のラウンドに進む人を選ぶのが仕事だと思っていますので、あくまでもイエスかノーでつけています。その時の状況でその設定が変わるのですが、今回は1次予選で10点満点だったのでイエスが9・0以上、ノーは7・0を基点に設定しました。仮にイエスが9・5でノーが5・3の組み合わせであっても、10・0と1・0の極端な設定だったとしても、実は全く同じこと。今回の7・0でも演奏に対する評価ではないので、実際の演奏は8・9ぐらいの評価であっても、ノーならば7・0・・・・だからその点数を気にしないように、悲観することないようにと毎回言っています。 その判断基準です。イエスにする1つの基準は「次にまた聴きたいか?」ということです。今回で言えば2次予選の曲目や本選の曲目も参考にします。目の前で大変すばらしい演奏を見事に完璧に演奏していても、次のラウンドでどういう演奏をするかが簡単に想像出来たり、あまり魅力を感じない、今回ですべてが見えてしまった場合、それはノーになりますね。なぜならば演奏家にとって「また聴きたい」と思われることが何よりも大事なことだからです。そしてもう1つ、さらに大切なことですが、クラシックは伝統芸能のようなもので、その伝統的なルールというか「型」をちゃんと学んでいるか?そこから逸脱していないか?ということです。ですから天才的に才能があり、超人的な演奏力があって圧倒的な演奏をしても、伝統的な解釈でなければノーになります。演奏会なら独創的でも許されて、売れっ子になれるかもしれません。それでも私たちは「伝統の番人」であり、伝統の継承者を探す義務があります。ミスタッチなどどうでもいいとは言いませんが、最優先のことはこちらにあります。 さて、こういう点のつけかたに問題があると思われがちですが、意外に順位などに影響はありません。私と同じ考えの審査員が集まっても、点差は開いたりするでしょうが、順位の結果は同じだったりします。田村先生も「斎藤くんみたいなのがいると、同点で重なったりすることが少なくなるから」と推奨されていました。実際今回も審査結果は一発でクリア、明快でした。また今回は最高点と最低点を上下カット、さらに残った点数の平均点を出すやり方でしたし、最高点をつけているのも最低点をつけているのも、ほとんど私なので(笑)、結果は残りの審査員の平均点が即結果。私の採点のために落ちた人はいないはずです。 そして参加者42人中10人を合格、6人を奨励賞にと、最初から事務局に決められていましたので、私は9・0以上を10人、8・0を4人につけました。私の9・0以上で合格した人が6人、奨励賞が3人、8・0からは2人が合格しました。選外になった人は、音が大きく乱暴に聴こえていたり、その逆でスケールが小さかったり、ミスが多かったりしたことが負けた理由ですが、演奏家としてのセンスを持っておられるので高得点にしました。自信をもって今後も頑張ってください。またコメントには厳しいことしか書いてありませんが、耳を傾けていただければ必ず成果が出ますので、ぜひ取り組んでみてください。奨励賞だったけど、非常に優れた人もいました。多分選曲が大人の曲だったので、曲の要求する官能的な世界を描き切れなかったからだと思いますが、予想外に点が集まらず残念でした。 あと個人的に。昔はプロコフィエフと言えば8番ソナタでしたが、今は6番を弾く人が多いのですね。私自身のCDに入っていますから(笑)大変なことはよく知っています。簡単には弾けないアクロバット的な部分もありますし、まずこの曲には圧倒的な音量が必要で、だから難しさも加算されるのですが、そこにプロコフィエフ的な知性的な様式が乗っかっています。内容が不在になるとただのイケイケの、コミカルな感じの曲になってしまいがち。緊迫した戦争ソナタなので、そうなってしまっては0点ですね(笑)。そういう意味では、弾ける人は増えたけど、この曲「らしく」弾ける人は少ない。今回も1人しか正しい内容で弾けていませんでしたね。あとショパンのバルカローレも、若い人が弾くコンクールには難しい曲だと思いました。前奏、左手、そして主題・・・・すべてが理想的に進んでいかないと、舟は沈没です。 さてさて今回の会場は上野学園。割と狭い会場でした。これがホールだとまた結果も違うと思いますよ。上野学園さんは、私のうちからは近いので、むしろタクシーで行くしかありません。上からは銀座線の車庫のようなものが見えますね。 ![]() この日は、早めに着いてしまいました。まだスタッフが対応していなくて、余計な場所をウダウダ歩くことになったので、少々ゴキゲンナナメに。また受付のおばちゃんがチンプンカンプンで、これもまた腹が立ちます。危うく巨大化、シンゴジラになって暴れそうになりましたが、スタッフの中に旧来の友人がいたので、再会を喜んですぐ人間に戻りました(笑)。 1日めのお弁当はこんな感じ。すき焼弁当ですね、お上品なお味です。 ![]() 2日目は、あ、私の嫌いな「金兵衛の弁当」だ。しょっぱいんだよね。おかずが大サービスで多いから、ますますしょっぱくなっちゃう。 ![]() ご飯の上にも必ず何か乗っていて、味を濃くしていますね。ホント嫌だ。 ![]() これを始終食べていたら危ないよ。私は「高血圧誘導弁当」と名付けています(笑)。お弁当の合間にピティナから、音楽教室が著作権を払うことになる決定に反対する署名を求められましたが、私はお断りしました。著作権も私の音楽家の仲間のためのものです。払うべきものは払いましょうよ!とむしろ私は言いたいです。コンクールもね、現代曲にはしっかり払いましょう(笑)。 コンクールの後は銀座に出て、フランスの音楽祭に行くことの打ち合わせを管理人さんとすることになりました。音楽祭「ムジカルタ」まだ募集していますよ。一流講師のマスタークラスあり、コンサートに参加もあり、アルザスの世界一の美味しいワインがあり、楽しそう。音楽を体験できます。ぜひご一緒にお出かけしましょう。 せっかくフランスのことを話すので、リヨンの郷土料理の店「ブション・ドール」に行きました。アミューズはリエット。チーズ風味で美味しい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() これは大満足の一夜でした。 栄養補給?で東銀座で鰻屋さんを探し、人気のお店「登三松」へ。あとから知ったのだけど、これは「登亭」だった。あちゃ~!「登亭」は昔は安くて、そこそこに美味しかったのだけど、普通の店と変わらない高い設定になってからは、今度は鰻の質も味も全部落ちちゃったのだよ。で、支店の「登三松」とは?というと、こちらもまあまあリーズナブルですね。 ![]() 評価が高い「特丼」を注文。お得だとかいろいろ書いてあったけど、来てみたらごくごく普通の鰻だ。やはり「登亭」と同じくペナペナ鰻でガッカリだ。好みとは合わない。
![]()
by masa-hilton
| 2017-06-11 23:19
| 日々の出来事
|
カテゴリ
プロフィール コンサート・イヴェント告知 ニュース 日々の出来事 音楽・雑記 趣味&グルメ 豪華クルーズ旅演奏会 連載対談@お江戸で連談 デビュー30周年関連 デビュー35周年関連 大ピアニストたち 休日は怒涛の鑑賞 海外の活動あれこれ 趣味悠々2005関連 趣味悠々@質問箱 nao@管理人の代書 リンク
ひまつぶし 1 フルーツポッチ ひまつぶし 2 将棋 ひまつぶし 3 ゴルフ ひまつぶし 4 卓球試合 ひまつぶし 5 熊を消す ひまつぶし 6 回転寿司店 ひまつぶし 7 キャンディクラッシュ ひまつぶし 8 アレックス ●関連リンク● 斎藤雅広・オフィシャル・ウェブ・サイト ♪私のホームページ。新情報やコンサート企画等。是非お立ち寄りください! 情報エクスプレス ♪コンサートスケジュールをまとめました まさひろ音楽交友録 ♪共演させて戴いた外来演奏家のご紹介 コロムビアのページ ♪CDの紹介・広告の特設ページです スーパートリオ ♪コロムビアのアーティストページです 日経ビジュアル堂 ♪インタビュー動画のページです。 クラシックニュース ♪インタビュー動画のページです。 ピアニストラウンジ ♪ヤマハのインタビューのページです。 ぶらあぼ2017 ♪インタビューのページです。 ぶらあぼ2016 ♪インタビューのページです。 ぶらあぼ2013 ♪インタビューのページです。 ●ゆかり@リンク● 音楽日めくり ♪今日は何の日?誕生日は12月30日 クラシックニュース過去ログ ♪過去のインタビューの動画もあります アスペン音楽事務所 ♪現在協力アーティストになっています ナミレコード ♪お世話になっているCD制作会社です 今どきlifestyle ♪マネージャー川島女史のブログです 國頭直子ウェブサイト ♪管理人さんご自身のサイト。このご時世、救いの神ですね ●となり@リンク● 真理のJoyful life ♪趣味悠々の相棒・谷川真理さんのHP 大坂寛のサイト ♪私の写真をお願いしている巨匠のHPです イマどきクラシック ♪評論家・真嶋雄大氏による旬なブログです 伊熊よし子のブログ ♪トップ・ジャーナリストの目で書く業界の今 Tea time diary ♪ご近所きのこさんの大人気ブログです ピアノ音楽名盤選 ♪木下さんの詳しすぎるピアノよもやま話 以前の記事
2022年 07月
2021年 12月 2021年 08月 2021年 01月 2020年 11月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 その他のジャンル
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||