人形町、噂の「かつ好」に、そして浅草の「ゆたか」に行く

人形町には最近、本当にこだわりの美味しい店が増えていますね。新規組です。それはそれで喜ばしいし、一気にネットでの評価や評判で賑わっています。確かに素材を吟味し、一流店のにおいというか、職人の技を強調したきっちりとした仕事で素晴らしいです。でも人形町じゃないんだな(笑)。あまり「人形町にさ、こういういい店があるんだ」って語って欲しくないと言うか。そういうお店は新規オープンなのに、何となく「うちは老舗ですよ」的な空気を出そうとしているところが、また心意気として嫌だったりしますね(笑)。

音楽でもそうなのですが、粋じゃない人っていうのは、当然のことながら「粋なもの」がどういうものかがわからない。隙がなく見事な仕事というのは、絶対素晴らしいのだけど、粋かどうかというのはまた別です。むしろ「粋なもの」って隙だらけ、表面的にはある意味雑でウダウダしてることが多い。でもね、真似ができないっていうか、なんか素敵なんだよね。で、そういうものは世の中になくてもいい、ある種どうでもいいものなんですよ。しかしそれが、私には重要(笑)!大好きなんです。

「かつ好」さんも隙のない感じのお店。古民家を改造した今どきの造り、看板も出していない、お店の中は騒がしくなく、職人の神経がピリッと効いている、すでに名店の風格もある。素材が良い!キャベツの美味しさなど格別。
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ただしお肉にはワイルドな迫力はない。これは逆に当然なのかも。切り方にもこだわりがあり、ひと口サイズにされて出される。トンカツ好き、毎日でも食べたいと思う私にはそこは残念な感じ。やはり「宇田川」さんの「ヒレカツ」のような、肉としての食べ甲斐が欲しい良いんだよ、むしろ丸かじりしたいぐらい。また日本橋の店だから庶民的な空気も欲しいんだよね。常連の顔を見て料理の出し方を変えるような・・・・「たいめいけん」の先代がランチタイムを終えてやってきて、なんだかんだ言いながら「やはりトンカツはお前のところがいいね」とかね、そういう風景こそが「粋」。でもこれは好み、最近の人はステータスで店を選ぶ人も多いのでね。

さて1階のカウンターでコース5000円のを戴きました。「角煮」はトロっと、とても美味しい。上品な感じ。
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オニオンサラダ、三味煮。この辺りは素材の良さと手を掛けていることはわかるけど、もっと彩があった方がよいね。どんなに良いとしても所詮は一味、素材頼みではつまらない。
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エビフライ。車エビの上等なもの。美味しいんだけど、エビフライに期待しているものが違うんだろうな。どちらかというと海老の天麩羅のような世界を演出して日本料理。エビフライは洋食であってほしくある私のとは違うかも。
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ヒレ肉はたたいて平たくして。
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厚切りのが好きな私のとは違う(笑)。今度はグラム数を増やしてみようかな。
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〆はすっぽんのカレー。これは辛すぎず私の好みの洋風なカレーだった。美味しいね。
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デザートも含めて、これは日本料理ですね。たまには気取ってトンカツを食べてみたいときもあるので、そういう時にはもってこいかもです。洋食と考えると逆に物足りない部分も多いし、5000円が高いように思ってしまう。そういうお客もいるのだろうね、以前はカウンターに座ったら必ずこのコース!みたいな出し方だったらしいけど、最近はアラカルトでグラム数で注文できるようにしたらしい。人形町、私のような偏屈な地元民が相手だと今後予想外の進化をせざるを得ないだろうけど、ビジターの人には文句なく推薦できますね。

このお店とちょうど正反対、「さりげなさ」で驚くのが、浅草のトンカツの名店「ゆたか」さん。とにかく浅草のトンカツ屋さんとしては、おそらくナンバーワンと長年言われているし、店構えもそれらしい品格もあるから、何となく敷居も高そうなのだけれど、入店すると全く気どりがない。和菓子でも出すお茶屋さんのような明るく丁寧、のんびりとした感じが伝わる。お値段もそれほどではないし、出てくるヒレカツもおうちで食べるような印象の、それこそ超さりげないものが出てくる。
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しかしこれがよくよく観察すると、どこから見ても悪い部分がないというか、実はこだわりのある高品質のものというか、それでいて実に何気ないというか。肩すかしのようで(笑)私はちょっと物足りなかったけど、粋を通り越して悟りの境地のようなもので驚いた。でもこれなら、グルメを気取らない人でも平常心で心安く普通に食べられるではないか。お店が凛としているのも良いけど、こちらの「さりげなさ」もお客様に対する優しさだと思った。コロッケを追加して大満足。
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温かみのある、こちらも普通な感じだったけど、決して普通ではない、これこそ長く培われた積み重ねによって到達した「職人芸」といえるものでしたね。

by masa-hilton | 2018-01-11 00:43 | 趣味&グルメ
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