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趣味悠々@質問箱 その4

趣味悠々@質問箱 その4_a0041150_1319356.gif質問9:最初の課題曲「バッハのメヌエット」ですが、最近の研究でバッハの曲でない事が判明しています。テキストや番組で説明がほしいところです。

   ご指摘のことについては迷いましたが、超・初心者の方が対象の練習曲(課題曲ではありません)ということで、できるだけ理屈っぽいことは避けたいと思いました。ここでは単なるドレミファソの練習として登場し、練習をはじめることの意味が大切なので、この番組とテキストに限っては究極的に言えばバッハの曲でも誰の曲でも良い、斎藤ワールドの曲という認識なわけです。それを証拠に「メヌエット」といいつつ4拍子なんですし(笑)、お助けアイテムを加え第2回第3回と、回を追うごとにポピュラーソングバージョンに進化していきます。つまりバッハのメヌエットとして一般的に認識されている(されていた)曲をもとにした練習曲ということで、ご理解いただければうれしいです。実際それは事実ですし、「バッハのアンナ・マクダレーナのための小品」として今まで通りの楽譜もまだすべて絶版には至っていません。

   ただその後さらに調べました所、最近は中学校の教科書にも「バッハの作品ではない」と載っているそうで、そこでは「作者不詳」とされています。しかしさらに調べるとペッツォルトという作曲家の作品だとされ、このぺッツォルトさんは生年等に矛盾がある?ために、それで作者不詳とされているらしいとか。しかし一方で「ぺッツォルト作曲バッハ編曲」と扱っている楽譜も出てきているようですし、最もシビアで信頼がおけるのがこちらでしょう。これでは中学校教科書の立場がありません(笑)。

   ところでバッハはよく同時代の他人の作品を盗用しています。盗用じゃなくて借用?編曲というのが正しいのですが、有名なものにバッハの4台のチェンバロ(ピアノ)のための協奏曲は、ヴィヴァルディの4つのヴァイオリンのための協奏曲と同じ曲です。でも一般的には誰もがその事情を知った上で、バッハの協奏曲と表記されることが多いです。想像ですが、やがてはこのメヌエットもそういう運命をたどるものなのかもしれません。

   さてテキストの冒頭に以上のようなコメントがあれば良かったでしょうか?ご賛同いただけないかもしれませんが(笑)、やはり「作者不詳のメヌエット(ウンチクつき~)」では「弾こう!」という気も萎えますし、そういう意味では「ラヴァーズ・コンチェルト」とすれば良かったのですが、でもそれよりも「バッハのメヌエットより」の方が「あ、あの曲」と認知され、楽しさもアップすると思う気持ちは変わりません。子供のための大きなコンクールでも、まだ「バッハのメヌエット」の表記で今年も課題曲として出されてもいますし、音楽学者諸氏には悪いですが「バッハだっていい~じゃん!」と言ってやりたいのは何故でしょうか?あはは(爆笑)。失礼失礼~、不謹慎でした。いずれにしましてもこの曲が名曲であることに違いはありませんね。

   というわけで、番組の中でこの件に触れるかどうかは考え中です。
by masa-hilton | 2005-06-27 09:20 | 趣味悠々@質問箱
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