↓でブロンフマンの話題をふったのでそれを受けて。つい昨日、昨年のウィーンフィル来日演奏会でのブロンフマンのラフマニノフの第3番協奏曲が放映されましたね。凄いのなんのって、ぶったまげでしょう?ラン・ランというピアニストがまた物凄くて、こちらのチャイコフスキーも以前放映されてましたが、「いまや技術的なレベルというのはここまで壮絶なのか?!」とあきれるやら感心するやら興奮するやら。そういえばキーシンの最新録音も同じくだし、ツィメルマンのラフマニノフの協奏曲のCDも同じく凄い。
ただこのレベルに慣れてしまうと、過去の名演奏を聴きなおした時に、わずかな指のもつれとかが第1に気になってしまって、本来のロマンティックなものだとか内容にまで、こちらの意識がとどかない事があります。そのために音楽がみんな殺伐としてくるのでは?という危惧もありますが、それはそれです。何がいいかはお客様が決めることだし、好みというのはまた複雑ですよ。ケンプやコルトー等もまた絶対に不滅です。
ところでこの放送見ていて思ったのは、あたりまえのことなんだけど、やはりウィーンフィルのうまさ!というか凄さ!というか。ふつう協奏曲をやる時って、たいてい無難な解釈を余儀なくされてしまうのです。オケがついてこないのは当然のことで、「そこを何とか」と暴れると(笑)こちらが暴走してしまう感じでバカみたいだし音楽にもならない。CDやレコードで聴くような個性的な演奏というのは、先ず現実では出来ないのが日常だし、もう練習していく気にもならないというのが本音でしょう。ところが先日のウィーンフィルは爆走するブロンフマンにぴたり吸い付いていくどころか、先回りして待ち伏せしているような所もあり、ヘビーで難しいはずのラフマニノフの第3番を、まるでプーランクの6重奏のような軽いフットワークのアンサンブルで、楽しんで演奏していたのが何よりも驚異です。
ウィーンフィルの中には知っている顔がいっぱいいて、随分いろいろな室内楽をやりました。いつも彼等は楽しんでいますし、お互いに反応しあったりするのが大好きです。それがアンサンブルの本質だし、それをまた「プロフェッショナル」と彼等は呼んでいます。技術的にはかなりあやしい所も多く、もしかしたら日本のオケのメンバーより実はずっと下手なのかもしれないけれど、音楽に対する心意気があるのでしょう。その心意気がブロンフマンのスーパーテクニックにも負けないというのが、またステキだし嬉しいことです。
さてこれからはこの凄いレベルのソリストが、日本人でもいっぱい出てくるでしょうし、これからコンクールを受ける若い日本人もまた、このレベルに向けてがんばっている訳です。アンサンブル等する時、まるで請負仕事のような退廃的な感覚でなく、常に情熱を持ってやっていきたいなあ!とますます感じました。それがまた自分の若さをよみがえらすことだし、エネルギーにもなるわけですし、音楽をする喜びですからね\(^_^)/