2010年 03月 17日 ( 1 )

ロゼ・コンクールの予選

前後するが富士で行われるロゼコンクール、14日の日はその予選の審査に行ってきた。今年は86人参加(棄権1人)、審査の結果32人が本選へ進んだ。私は昨年から大学にも教えに行っていないので、人の演奏を聴く仕事は久しぶり。ほぼ9時間の拘束でさすがに疲れた。ほかの審査員の方も参っていたようなので、この日はやはりきつい要素があったようだ。審査員もなかなかハードワークだ。

私は自分が舞台に立つ身だから、こういう緊張する場所に出てきたことだけで、参加者には大きな拍手を送りたいし、「みんな偉いなあ」と全員に満点をつけたいくらいだ。でも審査員は「仕事」であるわけで、賞をとるに値するという見きわめが要求されているわけだから、内容の濃い人はすなわち努力を重ねたということで、そういう人たちが落ちないためにも厳しく点をつけなければならない。

感想は、今年はバッハがことごとく音楽的な演奏でなかった。もちろん暗譜だけでも大変なので、手堅く&流れを止めるようにしながら確かめるようにして弾くのは十分理解できるが、これを聴かされるほうはたまらない。もっと大きなコンクールに行ったら絶対にダメだろう。難しいんだけれどね。

残念だったのはとても良い成績だったのに、提出した曲と違う曲を弾いてしまった人。失格になった。でもこういうことは気をつけないと、大学の受験だったりしたら一生の傷になる。受験票を親が書いたりするとこういうような事故が起こるものだ。もっと慎重であるべきことだ。また本選は全曲弾いて10分以内とあるのに、受験票に12~3分と書いてきた二人も、ボーダーラインだったので落選となった。これもとても惜しい。しかしプロコフィエフの8番の終楽章が何で12分もかかるのかな?私でも9分切って弾ける(笑)。リヒテルは9分40ぐらい。この人も良いテンポで弾いていた。今時の人ならば8分半から9分という曲のはずである。そして私はかなり高く評価したのだが、とても音楽的でプロフェッショナルな良い空気を作っていたラフマニノフ前奏曲3曲の人、なぜ10分以内で組立てなかったのだろうか?もったいない。せっかくだったのに本当に残念なことだ。

「もしかしたら許されるかな?」「ひょっとしたらうまく行くかな?」みたいなことは、我々の世界ではほとんどの場合、うまく行かないことが常。マジ甘くないのである。「これもこれも何としてもやらなきゃダメ」と厳しく臨んだからこそ、思ったよりは軽く済んだみたいなことがたま~にあるくらい。やはり舞台は厳しい。審査員が疲れるのは長時間であるとか、やたらな音の洪水とかいう理由よりも、その厳しい状況の舞台を参加者と共に体験するからだと思う。参加者の皆さんには、合否のことなどは気にかけずに「続けていく」バイタリティをもって、この厳しい業界でがんばって輝いて欲しいと願っている。
by masa-hilton | 2010-03-17 03:23 | 音楽・雑記